あなたは5歳児の齲蝕治療のため局所麻酔をしました。 しかし口をゆすいだ後、なかなかチェアーに寝転ぼうとしません。 治療しなければならないのはわかっているのですが、踏ん切りがつかないようです。 「早く歯を治して遊びに行こう!」と言っても、グズグズしています。そこでクイズです。 どのような言葉をかければ、すぐに寝転んでくれるでしょう? ここでヒントと余談です。 あなたは、あるスタディグループに属しています。 会から得意な内容で1時間話をして欲しいと発表依頼がありました。 得意な分野だし、資料をそろえればと思いながらも、1時間も話をする自信はありません。 そこで断ると、“1時間が難しかったら、30分だけでも・・・”と言われました。 さてあなたは、この依頼を受けますか? 1時間は厳しいけれど、30分なら・・と思いOKするでしょう。 実は、これ“ダブルバインド”という心理学的な誘導法です。 依頼を受けるか迷っているのに、相手は引き受けることを前提に1時間を30分に短縮してきたのです。
このように言われると、承諾しない訳にはいきません。 さて冒頭のクイズに対しては、ダブルバインド法の言葉がけで対応します。 答えは、次号までの宿題にしましょう。

著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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