前回からの宿題クイズ。 治療のため局所麻酔をし、口をゆすいだが、その後チェアーに寝転ぼうとしない小児がいる。 いつまでも踏ん切りがつかず、グズグズしている。どのような言葉をかければ良いだろう? さて前回、“ダブルバインド法”について述べた。 これは、相手は承諾することを前提に誘導する話法である。 もう一つ、応用例を紹介する。 さて読者は、コーヒーメーカーが欲しく、家電量販店へ見に行った。 まだ買うかどうか悩んでいたら、店員がやって来て話しかけられた。 店員「これは小型で軽いので、持って帰れますよ」 読者「そうですか」 店員「電車でお越しですか?それともお車ですか?」 読者「電車ですが・・・。」 店員「他にもお荷物をお持ちのようですし、送料無料ですので、ご自宅にお送りいたしましょうか?」 読者「そうですね。」 店員「お近くのようですので、今からなら夕方の配達に間に合います。ここに住所とお名前を・・・。」 読者「ハイ」 こうして迷っていたのに、いつの間にか買ってしまった経験はないだろうか。 さて、クイズの正解は 「それじゃ!今日は2本治す?それとも1本だけにしておく?」 このように言うと、「1本だけにする・・」と言ってコロンと寝転んでくれる。
ちょっとした言い方で、子どもの気持ちは大きく変わる。 是非,お試しあれ。

著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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