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2026年11月のピックアップ書籍

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歯周治療を学ぶすべての人に薦めたい大著 切らないペリオ切るペリオ 文献と臨床でひも解く歯周治療ステップバイステップ

岩野義弘・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 49,500円(本体45,000円+税10%)・576頁 評 者 石川知弘 (静岡県・石川歯科) 歯周病ステージⅣの症例(進行した歯周病患者)では、審美的、機能的な歯列を回復し、それを長期にわたり維持する総合力が求められる。経験の浅い歯科医師であれば、どこから手をつけ、どのような順序で治療を進めるべきか、途方に暮れることもあるだろう。本書『切らないペリオ 切るペリオ』は、すべての臨床家に、歯周治療の全体像と道筋を示す大著である。 近年、歯周組織再生療法をはじめとする外科治療は急速に進歩している。しかし、優れた外科手技も、適切な医療面接、検査、診断、治療計画、歯周基本治療、再評価という土台があって初めて生きる。本書の前半「切らないペリオ」では、これらの各段階がていねいに解説され、外科治療へ到達する以前に何を行い、何を見極めるべきかが明確に示されている。本文の傍らの「この数字は覚えておこう」「豆知識」「用語解説」などの工夫に加え、要所に配置された動画も理解を助ける。歯科衛生士の役割も症例のエピソードを通して語られており、歯科医師だけでなく医院スタッフ全員で読みたい内容である。大学で長年培われた著者の確かな基礎力が、随所に感じられる。 後半の「切るペリオ」では、術前準備、術後管理、器具やマテリアルの扱いから、切開、剥離、デブライドメント、縫合、抜糸まで、外科治療の基本的操作が明快なイラスト、術中写真、動画によって詳細に示されている。組織付着術、切除療法、歯周組織再生療法、歯周形成外科については、術式の発展の歴史から説き起こされており、現在の術式がなぜこの形になったのかを理解することで、要点を自然に学ぶことができる。基本に忠実で美しい手技に加え、Pseudo Papilla Preservation TechniqueやBidirectionally Positioned Flap、オリジナルの縫合法、歯間乳頭と肉芽組織を分離する際の勘所など、岩野先生ならではの臨床的工夫も惜しみなく提示されている。その治療結果は見事であり、目を見張るものがある。 さらに、歯周病患者に対する矯正歯科治療のリスク、SPTの効果や間隔、具体的な実施内容と注意点も、エビデンスと長期症例に基づいて解説されている。長期症例は、患者と良好な関係を築き、医院全体で真摯に取り組んできたからこそ示せるものである。また、ペリオタイプからカリエスタイプへの細菌叢のシフトを科学的に検証した研究からも、臨床上の疑問を追究する著者の研究能力がうかがえる。 岩野先生は、私の親愛なる後輩であり、優れた臨床家、研究者、教育者である。一人ひとりの患者に誠実に向き合い、チーム全体で困難な症例をすばらしい結果へ導く、その人柄が本書の随所ににじみ出ている。評者の年齢になると、「ペリオをきちんと勉強したいのですが、まず何を読めばよいですか」と若い歯科医師から尋ねられることがよくある。これからは、自信をもって「まずこの本を読んでください」と答えたい。

第1弾と本書の2冊セットを推奨! 超高齢時代の臨床の実践解説書! 病気をもった高齢者が歯科に来院されたときに読む本2 さらに知っておきたい! 全身疾患と医科歯科連携のための最新アップデート

松村香織・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 9,350円(本体8,500円+税10%)・120頁 評 者 相宮秀俊 (愛知県・吹上みなみ歯科) 診療室で患者さんの問診票を眺めていると、そこにはさまざまな病名や薬剤名が並んでいる。「医科で管理されているから大丈夫だろう」と評者自身、心のどこかでそう考えてしまっていたことがあったのかもしれない。本書を読みながら、目の前の患者さんを思い浮かべて日常診療を何度も振り返ることになった。 2022年に出版された前著から約4年──。本書はそのリニューアル版だと思って読み始めたが、読み進めると少し違う。前著で掲載されなかった疾患が補完され、新たな診療ガイドラインや知見が加わり、2冊を合わせて1つの書籍のような構成になっている。 なかでもChapter1は、本書の大きな魅力である。骨粗鬆症をはじめ、自己免疫疾患、呼吸器疾患、肝機能障害、甲状腺疾患、血液疾患と、前著ではふれられていなかった疾患が幅広く取り上げられている。とくに骨粗鬆症は、高齢化が進む現在、抜歯などの観血的処置を行う一般歯科医にとって避けて通れない。疾患そのものに加え、使用される薬剤が一般名・商品名とともに整理されており、「この薬は何だろう?」と思ったその場で確認できるのもありがたい。本書を読みながら患者さんの顔を思い浮かべると、意外なほど身近にこれらの疾患をもつ患者さんがいることに気づく。その疾患が歯科治療に何を意味するのかを知ることで、いつもの患者さんの見え方が変わってくる。そんな日常臨床の視野をさらに一段広げてくれる章である。 Chapter2・3では、その知識を実際の診療と医科歯科連携へとつなげていく流れがわかる。マイナンバーカードなどデジタル化が進む現在の情報収集方法も反映され、具体的に「何を確認し、何を医科に伝えるのか」が明瞭である。 Chapter4には、この4年間の変化が凝縮されている。MRONJに関する2023年のポジションペーパーをはじめ、歯性感染症への抗菌薬投与、抗血栓薬服用患者への対応や止血法、感染性心内膜炎への予防的抗菌薬投与などがアップデートされている。 前著は、基本的知識が詳しく記載されているため、本書の最新知見と2冊一緒に開くことで学習効果がさらに高まる。巻末付録も患者説明にうまく使えそうでワクワクする。 著者の周辺には、専門領域や経験年数を問わず、本当にさまざまな歯科医師が集まる。その理由の1つに、気さくに話を聞き、専門外の素朴な疑問にも同じ目線で向き合ってくれる口腔外科医としての深い専門性と、一般歯科医が「ここがわからない」と感じるポイントの距離が近いことが、本書の読みやすさにつながっているのだろう。加えて、色分けや親しみやすいイラストも、その使いやすさを後押ししている。 本書は読了後に本棚にしまうのではなく、診療室で何度も開くべき本だ。私たち一般歯科医にとって、超高齢時代における“臨床の実践解説書”となる1冊といえる。

実践的な歯科衛生士教育に携わってきた著者らの豊富な経験が詰まった良書 うまくいかない原因と解決策がわかる! いまさら聞けないSRP

丸尾 操・監著 牧島真美/丸山葉子/細川美鶴/奥野友紀/ 丸山恵理/富士田千夏・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 8,800円(本体8,000円+税10%)・120頁 評 者 小牧令二 (岐阜県・美江寺歯科医院) 本書は、著者らの学術的な知識と豊富な経験が詰まった良書である。著者らは長年実践的な歯科衛生士教育に携わってきた立場から、皆が陥りやすい間違いや疑問をどのように答えたらわかりやすく伝わるか熟知しており、イラストや写真を多用し、理解しやすい工夫が随所になされている。対面の実践なしで、臨床の手技を書籍等で解説し理解してもらうことは非常に難しいが、本書はその高いハードルを飛び越えている。 全体を通してハンドキュレットを用いたSRPに的を絞ることで濃い内容となっており、SRPをするにあたっての基本手技から、プロービングの注意点、エックス線写真の読影にも触れ、総合的な評価をSRPの実践に活かしている。初心者からベテランまで利用できる内容で、初心者に対しては、守るべき基本的な内容が論理的で、図説を用いてわかりやすく解説されていて、すぐに臨床に応用できる。本書を最初から読み進めることで、実際の臨床の基本を理解することができる。また、新人教育においても、イラストや写真を用いてわかりやすく解説することができる。基本をマスターした中堅・ベテランでも臨床で疑問に思ったり壁に突き当ったりすることがある。そんな時でも、本書はQ&A方式でポイントを絞って示されており、普段から間違いやすいケースからごく稀なケースまで、皆が陥りやすい問題を豊富にカバーしている。 巻頭のフローチャートとチェックリストは工夫されていて、最初から読み進めてもよいが、普段から疑問に思っていることや、臨床中に「ここがわからない」ということにも利用しやすい。全5章のうち、「1。シャープニングがうまくいかない」「2。歯石が取れたかどうかわからない」「3。探知はできているが、歯石が取れない」の3つの項目は、イラストでわかりやすくていねいに解説されていて、初心者にぜひ身につけてもらいたい基本である。また、ベテランももう一度確認し直すことをお勧めする。「4。歯周ポケットが残った原因がわからず、再SRPを繰り返す」の項目では、臨床を行っていれば誰もが一度は経験する内容で、豊富な臨床写真とエックス線写真を用いて、実践的な解説がされている。臨床で困った時には、ご自身が対応している患者さんの臨床写真やエックス線写真と照らし合わせて解決していくことができる。5つ目の習得・指導の項目には、今まで実践的な歯科衛生士教育に携わってきた著者らの経験が詰まっており、これから習得していこうという歯科衛生士と、指導的立場の歯科衛生士に読んでいただきたい。最後の「SRPチェックシート」では、ご自身が今どの段階にあり、何を悩んでいるかを客観的に評価し、今後の成長に役立ててもらいたい。 本書は、歯科衛生士として正しい知識をもって正確な手技で治療に携わることが、患者さんを大切にすることにつながるという著者の信念が詰まった1冊である。

口腔内スキャナー選びの「比較の軸」がここにある 別冊ザ・クインテッセンス 日常臨床をプラットフォーム化する口腔内スキャナー完全ガイド2026/2027

芦田圭介/岩内洋太郎/北道敏行/木村 亨/草間幸夫/坂本歩美/笹田佳奈/笹田雄也/ 髙場雅之/髙松雄一郎/田中晋平/長尾龍典/星 憲幸/三好敬太・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 6,600円(本体6,000円+税10%)・136頁 評 者 山羽 徹 (大阪府・とうかえでの道デンタルクリニック) 口腔内スキャナー(IOS)は、もはや「印象採得のデジタル置換」ではない。診断、設計、製作、院内外の情報共有までを束ねる「診療プラットフォームのハブ」である。 本書は冒頭でそのように宣言し、その視点を全編で貫いている。評者は本シリーズ第1版『進化する口腔内スキャナー完全ガイド2020/2021』と第2版『DXが加速する〜2022/2023』の監著を務めたが、当時の主題は機種ごとの精度と院内ワークフローの確立であった。以後「クラウド化する」を経て本版で「プラットフォーム化する」に至った歩みは、IOSが単体の装置から、CBCTや顔貌スキャン、歯科技工所や患者とを結ぶ入口へと位置づけを変えてきた6年間そのものである。本書はその到達点を日常臨床の側から整理し直した1冊である。 最大の読みどころは、昭和医科大学歯科補綴学講座による巻頭特集「国内市場における口腔内スキャナーの最新トレンドおよび各社機能比較2026」だろう。前版以降に国内発表された13機種を含む30機種以上のスペック・拡張性が、認可範囲、焦点間距離、対応フォーマット、連携システム、保守費用に至るまで一覧化されている。さらに価格帯と代表機種の機能比較(Multiple scan、Monitoring、Caries detectionなど)が併せて示され、「自院に必要な機能はどこまでか」を機種横断で考えられる構成になっている。各社の資料をいくら集めても得られない、本書の中核的価値である。 もうひとつ注目したいのは「IOSの拡張性」の章である。クロスアーチや欠損部顎堤のスキャンといったIOSの苦手領域に対し、スキャンボディ、フォトグラメトリー、口腔外スキャナーとの併用によるワークフローが整理され、同時に「取得データの信頼性評価と適応判断は依然として歯科医師自身の臨床的判断が重要」と釘を刺している。デジタル化する歯科医療に携わる立場として、この抑制の効いた記述に深く共感した。 後半のPRODUCT INFOR-MATION&CASE PRESENTATIONは、各社の製品情報に続いて臨床家がその機種を実際にどのように使っているかを示す構成で、iTero Lumina、Aadva IOS 200、Straumann SIRIOS X 3、TRIOS、神樂Smart、Primescan 2、MEDIT i900など、ハイエンドからミドル・低価格帯までを網羅する。歯科技工士の視点、モデルレスワークフロー、患者体験に踏み込んだ章もあり、機種選定の先にある「運用」まで見通せる。 IOSの選択肢は多様化し、低価格帯モデルの台頭で導入の敷居は確実に下がった。その一方で、ハードの性能だけで機種を選ぶ時代は終わりつつある。 本書は、その転換期に立つ臨床家に「比較の軸」を与えてくれる。IOS導入を考える医院にも、増設を検討する医院にも、既に使い込んでいる医院にも、いま手元に置きたい1冊である。

これからの歯科界に必須の「歯科写真学」を楽しみながら学べる1冊! 別冊QDT “映える”歯科写真の教科書 症例を“魅せる”コンテンツへと変える新しい臨床写真術

浅賀勝寛・監著 幸田洋明/松島弘晃/矢野孝星/横田真也・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 7,150円(本体6,500円+税10%)・144頁 評 者 奥田浩規 (兵庫県・奥田歯科医院) このたび、歯科領域における写真の新たな“バイブル”ともいうべき一冊、『“映える”歯科写真の教科書』が刊行された。何とも言葉にしがたい、いかにも今という時代を映し出すタイトルである。そのタイトルと表紙を目にした瞬間、思わず手に取りたくなる!! そんな引力をもった一冊だ。本書を読み進めると、そのタイトルの奥から、単に「きれいな写真を撮る」という意味を超えた、歯科臨床における写真の本質が見えてくる。 監著を務められたのは、現在の歯科界を牽引する若手のひとりである浅賀勝寛先生(埼玉県開業)だ。そして著者としては、幸田洋明先生(愛知県勤務)、松島弘晃先生(兵庫県勤務)、矢野孝星先生(東京都開業)、横田真也先生(歯科技工士・千葉県勤務)らが名を連ね、まさに次世代の歯科界を担う先生方の知識とテクニックが凝縮された一冊である。 「神は細部に宿る」という言葉があるが、これはあらゆるジャンルの歯科治療における丁寧な仕事へのこだわりであると同時に、その治療の記録、すなわち写真へのこだわりをも意味するといっても過言ではない。自らが積み重ねた細部の仕事は、美しい臨床写真によってこそ、はじめて正しく表現される。治療の質もさることながら、これからの歯科医師にとって「歯科写真学」はもはや避けて通れない分野である。 本書はまず、歯科写真がなぜ必要なのか、その意義と目的を明確に示すところから始まる。今や臨床写真は、患者説明や治療記録の枠を超え、SNS発信や自身の治療をアピールするための絶対的なツールとなった。写真を学ぶことは日々の臨床そのものを楽しくさせてくれる……そう思わせてくれる必須の分野であると説く。 内容は、歯科用写真に必要な機材選びからカメラ本体の基本操作、撮影の基礎知識までをいちから懇切丁寧に解説されている。写真表現の核となる露出やホワイトバランスの関係はもちろん、口腔内写真をより美しく再現性高く撮影するための実践的テクニックも網羅している。日常臨床で補綴装置製作に欠かせないシェードテイキングの正確な伝達方法にも踏み込んでいる。 さらに、“魅せる”写真のための上級テクニックに加え、審美修復治療に不可欠な顔貌写真の撮りかたまでを解説。光の扱いかたについては推奨メーカーの紹介はもちろん、ディフューザーやバウンサーといったライトモディファイヤーを用いたライティング、リングフラッシュとサイドフラッシュの使い分けなど、実践に直結する知見が惜しみなく詰め込まれている。写真の印象を決定づける「構図」についても丁寧に語られており、ビギナーから上級者まで、あらゆるレベルの歯科医師が楽しみながら学べる一冊である。これからの歯科医療を担うすべての歯科医師・歯科技工士の皆様にぜひ手に取っていただきたい。

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