トリは大空を飛ぶために、歯を退化させクチバシに代えた。 そのため頭蓋骨は、驚くほど軽い。 そこで、ベニイロフラミンゴの頭蓋骨の重さを天秤で測ろう思った。 (図1) しかし、子ども用なので分銅がない。 しかたがないので硬貨を利用した。 まず重りとして10円玉を一枚置いたが、変化しない。 もう10円足すと、頭蓋骨はわずかに持ち上がった。 さらに10円足して30円・・・。 すると頭蓋骨は急に上がった! (図2) そこで10円玉を取り、代わりに5円玉を置いた。 まだ、少し頭蓋骨が軽いようだ。 25円よりわずかに軽いので、頭蓋骨は24円ということか・・・。 (図3) 冗談はさておき、実際には何グラムだろう? そこで硬貨の重さを調べると、10円玉は4.5g、5円玉は3.75gであった。 (図4) つまり30円では13.5g、25円では12.75gとなる。 これより軽いので約12g程度だろう。 さて体長1.3mのベニイロフラミンゴの体重は、およそ3kgである。 すると頭蓋骨の重さは、体重のわずか1/250ということになる。 (図5) ここで、掌(てのひら)に25円置いていただきたい。 トリの頭蓋骨は、いかに軽いかが実感できることだろう。 さてトリは、空を飛ぶために他の器官も退化させた。 例えば、膀胱。 これがないためウンチとオシッコは同時に排泄される。 トリのウンチを観察すると、黒と白の部分があるのはこのためだ。 黒い部分は本当のウンチ、白い部分は尿(尿酸)なのである。 (図6) また、トリは腸管も短くした。 そのため、栄養分が十分吸収されないまま排泄される。 だからトリのウンチ(鶏糞)は、肥料として使われるのだ。 (図7) 次回に続く 前回の記事 動物園の動物達も高齢化 ベニイロフラミンゴの頭蓋骨
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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