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2019年10月のピックアップ書籍

2019/10/3 歯科NEWS


『骨再生に強くなる本』

著者の柴原清隆先生は、最近では顕微鏡視下での口腔外科手術の普及に努められているが、インプラント外科を中心として第一線で活躍する口腔外科臨床医である。先生との付き合いはすでに十数年に及ぶが、ともに仕事をしたのは評者が長崎大学に赴任してからのわずか3年であった。しかし、その短い期間に大学病院という立場から多くの挑戦的といえる最新治療を取り入れることができたのも、柴原先生の存在があったからこそである。その後、彼は数多くのインプラント外科症例を経験する機会に恵まれ、元来、器用ではあったが、さらに腕を磨き超一流の臨床医として活躍している。一方、大学非常勤講師として学生教育にあたりながら、評者とは最新の手術手技に関して情報交換や論議を続けている。 そんな先生の著となる本書であるが、自身の医院を運営しながら、まさに臨床の第一線で活躍する彼ならでは著書である。実際の臨床における成功・失敗の裏には必ず理由がある。そして、その理由を説明するのが生物学的な原理・原則である。われわれは、失敗症例から多くのことを学ぶが、「なぜか」と原理・原則に立ち返り理解することによって、つぎの臨床へ大きくフィードバックすることが可能である。歯科臨床において歯槽骨の再生・増生は難しい治療技術であるが、本書には臨床医として骨再生の理解に必要十分な骨生理の基礎が非常にわかりやすく記されている。「歯科医師がギルド的職人ではなく、科学的根拠に基づいた『なぜかと考える医療人』であってほしい」と、つねにいい続けてきた評者の第一の教え子である柴原先生が、その基になる本書を刊行されたのは望外の喜びである。 本書の「はじめに」でも記されているように、臨床で活躍されている諸氏にとって、専門書を読んでも十分に理解できず、結局、読破できないこともままあるのではないだろうか。一方、本書は擬人化された登場人物による会話形式で書かれていることから数時間で読破可能であり、それでいて骨代謝のエッセンスは押さえている。これであれば、基礎的なことを学んだ経験のないようなスタッフであっても、気軽に手に取ることができるのではないだろうか。自院で提供する骨再生医療に関する理解を深め、スタッフが共通認識をもって治療に携わるためにも、ぜひ、医院に揃えておいてほしい1冊である。 評者:朝比奈 泉 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔再生外科学分野) 柴原清隆・著 クインテッセンス出版 問合先 :03‐5842‐2272(営業部) 定価本体:4,500円(税別)

『子どもの口と顎の異常・病変 口の粘膜 編』

このたび、日本小児口腔外科学会の編著として『子どもの口と顎の異常・病変 口の粘膜 編』が刊行された。病態別・診療手技別の専門分野を担当する他の診療科と異なり、小児歯科診療は成長発育期の乳幼児から思春期に及ぶ年齢層を対象としたほぼすべての歯科医療の実践となる。その診療内容はう蝕の予防や処置から、歯内療法、外傷への対応や外科処置、そして口腔習癖への対応や咬合誘導等、多岐にわたり、さらに診療上注意すべき先天性の疾患や感染症への対応も必要となる。そして、小児期は無歯期から歯の萌出、歯列・咬合の確立をはじめとして、摂食嚥下機能や構音機能の獲得など、形態的にも機能的にも劇的な変化を生じる時期である。 このような成長変化の過程で、小児の口腔粘膜に発現する異常や病変に特化して解説された書籍はなかった。本書は、臨床家の視点で日常において遭遇する頻度の高い口腔粘膜病変や先天異常、また、外傷や腫瘍性病変、感染症による異常のみならず、口腔習癖や機能障害による異常についての解説があり、臨床に直結した内容となっている。 さらに、発症原因にはじまり、症例提示の際に口腔内写真、図説や摘出物の病理組織所見、そして対応方法まで解説されているので、診察時に注意すべき点や診断、治療方針の決定、治療計画の立案に至るまで非常に有効な情報が得られるように構成されている。とくに本書の特徴的な記載内容として、一般臨床家・小児歯科の視点から鑑別診断において実際に何をみるのか、さらに対応するうえで口腔外科としてのテクニックなど、臨床における診療の順序と同様の流れに沿って記述されていることが挙げられる。このように、小児歯科における診断や対応と口腔外科としての対応や手技を病変別に細かく解説したものは他に類をみないといえる。したがって、本書は臨床家が診療を行ううえですぐに役立つ資料となるだけでなく、医療系学部・学科の学生や卒後臨床研修に従事する医師・歯科医師が顎・口腔粘膜疾患の症例を学ぶうえでカラーアトラスとしても非常に学習効果の高い書籍となることを確信している。 評者:木本茂成 (神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔統合医療学講座小児歯科学分野) 一般社団法人 日本小児口腔外科学会・編著 クインテッセンス出版 問合先 :03‐5842‐2272(営業部) 定価本体:7,500円(税別)

『患者さんの笑顔を最大限引き出す前歯部アライナー矯正 導入・実践編』

このたび、日本小児口腔外科学会の編著として『子どもの口と顎の異常・病変 口の粘膜 編』が刊行された。病態別・診療手技別の専門分野を担当する他の診療科と異なり、小児歯科診療は成長発育期の乳幼児から思春期に及ぶ年齢層を対象としたほぼすべての歯科医療の実践となる。その診療内容はう蝕の予防や処置から、歯内療法、外傷への対応や外科処置、そして口腔習癖への対応や咬合誘導等、多岐にわたり、さらに診療上注意すべき先天性の疾患や感染症への対応も必要となる。そして、小児期は無歯期から歯の萌出、歯列・咬合の確立をはじめとして、摂食嚥下機能や構音機能の獲得など、形態的にも機能的にも劇的な変化を生じる時期である。このような成長変化の過程で、小児の口腔粘膜に発現する異常や病変に特化して解説された書籍はなかった。本書は、臨床家の視点で日常において遭遇する頻度の高い口腔粘膜病変や先天異常、また、外傷や腫瘍性病変、感染症による異常のみならず、口腔習癖や機能障害による異常についての解説があり、臨床に直結した内容となっている。 さらに、発症原因にはじまり、症例提示の際に口腔内写真、図説や摘出物の病理組織所見、そして対応方法まで解説されているので、診察時に注意すべき点や診断、治療方針の決定、治療計画の立案に至るまで非常に有効な情報が得られるように構成されている。とくに本書の特徴的な記載内容として、一般臨床家・小児歯科の視点から鑑別診断において実際に何をみるのか、さらに対応するうえで口腔外科としてのテクニックなど、臨床における診療の順序と同様の流れに沿って記述されていることが挙げられる。このように、小児歯科における診断や対応と口腔外科としての対応や手技を病変別に細かく解説したものは他に類をみないといえる。したがって、本書は臨床家が診療を行ううえですぐに役立つ資料となるだけでなく、医療系学部・学科の学生や卒後臨床研修に従事する医師・歯科医師が顎・口腔粘膜疾患の症例を学ぶうえでカラーアトラスとしても非常に学習効果の高い書籍となることを確信している。 評者:米澤大地 (兵庫県・米澤歯科醫院) 長尾龍典/岩城正明/新井聖範・監著 五十嵐 一/鈴木仙一/脇田雅文/森本太一朗・著 クインテッセンス出版 問合先 :03‐5842‐2272(営業部) 定価本体:6,000円(税別)