Dental Life Design

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年始に思う
低フォスファターゼ症のこと

2020/1/10 デンタル〇〇デザイン

全身疾患や生活の異常を示す兆候が口腔内にいち早く現れることが多くあります。それを、私は「歯は炭鉱のカナリア」と言っています。炭鉱のカナリアとは、昔、炭鉱労働者がカナリアをかごに入れて坑道に入り、カナリアがさえずりを止めることで、有毒ガスの検知に使っていたことから、危険を知らせる前兆を示す比喩表現です。その一つの例が乳歯の早期脱落です。


<乳歯が脱落したところの子ども>

4歳までに乳歯が脱落すると、難病に指定されている低フォスファターゼ症が疑われるそうです。一般の親御さんたちは、乳歯は生え替わるものだと知っているので、4歳未満であっても、まさか重要な病気が潜んでいるとは思わず、見過ごされることが多いようです。しかし、この時点で察知して治療を始めると、重症化を防ぐことができます。その子の人生が大きく左右されるのです。


<乳歯の脱落、子犬ですが。。。>

さて、「カナリア」である歯が黙って教えてくれていることを、どうやって気づいてもらえばいいのか。地道な啓発活動しかないのかもしれません。母子手帳に情報を入れてもらったり、メディアで知らせてもらったり、歯科医師が小児科の医師と連携を取ったり。私たちNPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)でも、啓発活動に取り組んでいます。


<低フォスファターゼ症の情報を載せている母子手帳>

この疾患一つをとっても、歯が全身の状態といかに深く結びつき、早い段階で重要なメッセージを送ってくれていることに気付かされます。Health for All(すべての人々に健康を)という究極の目標を達成するために、歯科の役割は計り知れません。齲蝕と歯周病の治療に隠れて、それ以上に多くの仕事を抱えているのだと思います。様々な病気から人々を守るゲートキーパーとして。


<歯の神様として崇められている白山(歯苦散)神社にて、新年のご挨拶を申し上げます。>

追伸:今年から新潟大学医歯学総合病院予防・保存系歯科(予防歯科)の助教の肩書きが増えました。現在行っているNPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)の活動はそのまま継続いたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
なお、発言内容は個人やPSAPの見解で、新潟大学とは関係ありません。