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歯科医院の広告規定は知らないと損!?
内容のOK・NGラインとは?

2020/1/21 歯科医院経営

競争の激化する歯科業界において、集客のために広告戦略は必要不可欠です。
しかし、やみくもにPRしては国の定める広告ガイドラインに違反してしまう恐れがあります。

今回は、歯科医院の効果的な広告や広告規定、限定解除要件などについて解説します。

歯科医院の集客手段として広告を出すことは有効?

厚生労働省が発表した医療施設動態調査によれば、全国の歯科医院数は2015年で約68,000軒以上。これはコンビニの約55,000軒を上回る数です。 1993年では約55,900軒だった歯科医院が乱立したために、こういった数値に至っています。 さらに、歯科診療の医療費は、1990年代の約2兆円から現代までほぼ横ばい。 今後の少子高齢の深刻化に伴い、医療費の減る中で市場規模はますます小さくなります。 つまり、現代の歯科医院は、開業と同時に厳しい顧客獲得競争に巻き込まれてしまうということです。 集客手段の一つにインターネット広告があります。 スマートフォンやタブレットが普及している今、個人のインターネット利用者は13歳から59歳までの各年齢層で9割を超えています。(※※総務省「通信利用動向調査」(各年)より) インターネット広告で特に効果的なのが「リスティング広告」です。 リスティング広告は、GoogleやYahoo!といった検索媒体で、「歯科医院 東京」「矯正 大阪」などの検索キーワードを指定し、自身のサイトを検索結果で上位表示できる広告のことです。 ユーザーがサイトをクリックする毎に費用のかかる「クリック課金制」となっているため、最小限の予算で最大の効果を出すことができます。

歯科医院も対象!改正医療法で変わった広告規定

とはいえ、広告に掲載する内容は自由なわけではありません。 インターネット上に広告を出す際には、国が定めた医療広告ガイドラインを遵守しなければなりません。 厚生労働省は、2018年6月に医療法を改訂しました。 これまでは「ホームページは広告に該当せず、広告規制の対象外である」と定められていました。 しかし、今回の法改正により「ホームページは広告であり、医療広告規制の対象となる。医療広告ガイドラインを遵守する必要がある」と定められました。 つまり、歯科医院のホームページへの掲載禁止項目が大幅に増えたということです。 万が一、医療広告ガイドラインに違反した場合には罰則が適用されます。 一番重い罰則は「虚偽広告」で、これに該当した場合「懲役6ヵ月以下または罰金30万円以下」の罰則を受けることとなります。

歯科医院の広告に掲載NGな内容

ここでは、掲載NGの内容について具体的に解説します。 医療広告ガイドラインでは、主に6つの禁止事項が定められています。 治療内容または治療効果に関する体験談の禁止 患者さんの主観による治療内容や治療効果の体験談は、事実の如何を問わず、インターネットサイトへの掲載が禁止されています。 個人の状況が異なるため、治療内容や効果に対する誤認を与えかねないためです。 ただし、治療内容や効果に触れない体験談であれば、禁止の対象外となります。 説明無しの治療前/治療後写真の掲載禁止 「ビフォーアフター写真」や「治療前・治療後のイラスト」といった治療効果をアピールする掲載は、治療内容や費用、リスク、副作用などの説明をつけた場合にのみ認められます。 他の病院と比べた比較優良広告の禁止 「〇〇の治療実績は国内No.1」や「県下最大の患者数」など、他の医療機関と比べ、自院の優れている点を述べる広告は禁じられています。 誇大広告の禁止 科学的根拠に乏しいにもかかわらず、過剰表現で記載することは患者さんの誤認を招くため禁止されています。 虚偽広告の禁止 「利用者満足度〇%」や「年間利用者〇千人以上」といった表現を、根拠データを明確にせずに記載してしまうケースです。 前述の通り、「懲役6ヵ月以下または罰金30万円以下」の罰則が設けられています。 合理的な根拠なく、効果・効能を表示する広告の禁止 これは医療法とは別に、景品表示法で規制されています。 消費者庁から効果・効能の根拠資料提出を求められた場合に、15日以内に提出できなければ違法広告として断定されます。 さらに詳しい掲載項目について表にまとめて解説します。 ※「限定解除要件」については後述
項目 許可 許可条件
自由診療の治療の記載 健康保険が使用できない旨や総額費用を分かりやすく記載する。
審美歯科、予防歯科などの記載 許可されている診療科目は歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科。それ以外の診療科目は限定解除要件を満たせば掲載できる。
○○センター(インプラントセンター、予防センターなど) × -
口腔外科専門医、歯周病専門医、歯科麻酔専門医、小児歯科専門医、歯科放射線専門医 -
上記以外の 専門医、指導医、認定医 限定解除要件を満たせば掲載できる。しかし、「活動実態がない」と認定された団体は掲載不可。
診療に従事する従業員の紹介 医療従事者(歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士など)の氏名、年齢、性別、役職、略歴は掲載可能。
医療従事者の略歴 生年月日、出身校、学位、免許取得日、勤務した医療機関や診療科など、一連の履歴を記載したもの。研修は掲載不可。
プレゼントの記載 × -
雑誌や新聞に掲載・紹介された旨 × -
ホームページの内容について、該当していないかチェックしておきましょう。 2020年以降も新たな広告規定の改訂が行われる可能性があるため、医療法の改訂には常に注意を払っておきましょう。

医療広告規制の限定解除とは?

歯科医院のホームページは、前述の通り、医療広告ガイドラインの細かなルールを遵守しなければなりません。 一方で、「限定解除要件」を満たせば、ホームページ上に標榜可能な項目を増やすことができます。 「限定解除の要件」は、次の3つです。 ・電話番号やメールアドレスなどの問い合わせ先を記載する。 ・自由診療に関する基本的に必要な治療内容、費用を記載する。一部の費用、最低限の費用のみはNG。 ・自由診療に関するリスクや副作用についても記載する。 この3つを満たすことで、広告規制を一部限定解除できます。 「医療広告ガイドラインに関する Q&A」では、限定解除により、以下の文言を表記できると定められています。
- ○○外来との表記(専門外来など) - 未承認医薬品・医療機器を用いた治療※以下の明示が必要・未承認であること・入手経路(個人輸入かそれ以外か)・国内の承認医薬品の有無・安全性に関し諸外国の情報 - 医薬品・医療機器の販売名 - 治療効果 - 学会が認定する研修施設であること - 「総合診療科」 - 「認定医」「指定医」「専門医」「産業医」 - 手術件数 - 「審美治療」 - 適応外使用 - 再生医療

ルールを押さえた広告で集客を目指す

広告ガイドラインを遵守しつつ、広告を活用し歯科医院のPRを進めていきましょう。 法改正は時代にあわせて行われます。 最新情報をチェックしながら、適切な広告表示を心がけましょう。