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開業した歯科医師の年収はどのくらい?
勤務医・他の医院との差や年収推移まとめ

2020/2/20 歯科医院経営

勤務医として働くか、開業するか迷っている歯科医師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯科医師の働き方を決める判断基準の一つとなる指標が収入です。

今回は、歯科医師の立場や性別、年齢、国による年収の違いについてご紹介します。

歯科医師の平均年収

「医師」という職業は、2017年の職業別年収ランキングで飛行機操縦士や大学教授を超え、堂々の1位(約1,232.7万円)を獲得しました。 【参考】賃金構造基本統計調査2017年 とはいえ、医師の中でも専門領域によって年収は変わります。 厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を基に算出すると、歯科医師の年収は約823.9万円。 ただし、性別や役職、病院の種類などによって変化します。 歯科医師は、「少子高齢化や歯科医院の競合数増加で儲からない」というイメージがあるかもしれません。 このイメージが本当か嘘かを、実際の数値を通して見ていきましょう。

男女別・年齢別の平均年収

男女別の平均年収は、男性889.5万円/女性748.2万円と男性の方がやや高くなっています。 また、年齢別で表にまとめると下記の通りです。  
年齢層 男性 女性
20~24歳 328万円 243万円
25~29歳 425万円 575万円
30~34歳 927万円 662万円
35~39歳 1,378万円 1,112万円
40~44歳 1,087万円 792万円
45~49歳 1,137万円 722万円
50~54歳 683万円 -
55~59歳 1,342万円 -
60~64歳 1,039万円 -
65~69歳 1,166万円 -
70歳~ 1,080万円 -
【参考】賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 多少の変動はあるものの、男女ともに30代後半で収入のピークを迎えています。 しかしながら男女の収入には差があり、30代~40代では女性の方が200~400万円ほど下回っています。 歯科医師には免許の定年は無く、65歳以降も働き続ける男性の歯科医師もいます。 女性の歯科医師の場合は、49歳までが現役の目安となっているようです。

開業した歯科医師の平均年収

中央社会保険医療協議会の「第21期医療経済実態調査(2017年) 職種別常勤職員1人平均給料年(度)額等」によると、開業歯科医師の平均年収は643万円で、歯科医師全体の平均年収を約200万円下回る結果となっています。 背景としては、全国的な歯科医院数の飽和と同時に、人口減少で患者数が減り、限られた患者さんの獲得競争に陥っていることが考えられます。 さらに、開業時には数千万円規模の初期投資が必要です。 開業後も、金融機関への返済や維持費を確保していかねばなりません。 一国一城の主として、開業医を目指すなら収入面のリスクを考えておくべきでしょう。

勤務歯科医師の平均年収

一方で勤務歯科医師の平均年収は、一般病院の平均年収が1,242万円、歯科診療所で606万円という結果が出ており、勤務先によって2倍の差が生まれていることがわかります。 歯科診療所で院長として働いた場合でも、平均年収は1,186万円。 一般病院の勤務医と比べると低いですが、収入面では一般病院よりも下がるものの、将来的な独立開業の準備期間として、院長の手腕を側で学べる歯科診療所の勤務医として働くことも選択肢の一つといえます。 一方で、一般病院は歯科診療所に比べて経営の安定性が高いです。 さらに公立病院の場合は「公務員」という立ち位置となるため、安定した環境で働きたい歯科医師の方にとってはよい働き方であると言えるでしょう。

研修歯科医師の給料

国家試験に合格すると、1年以上の臨床研修の受講が必要となります。 臨床研修をクリアすれば、晴れて歯科医院の仲間入りです。 「研修」という名目ですが、期間中は給料をいただき勤務にあたります。 厚生労働省発表の「臨床病院における研修医の処遇」によると、研修医の平均年収は下記の通りです。 ▼平成23年度採用予定の臨床研修医の推計年収  
1年次 2年次
大学病院 臨床研修病院 合計 大学病院 臨床研修病院 合計
平均 約307万円 約451万円 約435万円 約312万円 約502万円 約481万円
(1万円以下切り捨て) 給与額は、それぞれの病院によって異なります。 以前は、月給12~15万円で研修を行う病院もありました。 しかし、給与の割に激務になるという理由から、年々改善されてきています。

歯科医師の平均年収推移と医師との比較

次に年数別で歯科医師の年収の変化を見てみましょう。  
2018年 848万円
2017年 757万円
2016年 856万円
2015年 654万円
2014年 734万円
2013年 620万円
2012年 679万円
2011年 750万円
2010年 581万円
2009年 724万円
(1万円以下切り捨て) 【参考】賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 - 厚生労働省 年によるばらつきがあり、漸増・漸減傾向はなく、600~800万円代で推移しています。 ※ここには勤務医や開業医といったさまざまな立場の歯科医師が含まれています。 一方で、年数別医師全体の年収推移は下記の通りです。  
2018年 1,161万円
2017年 1,232万円
2016年 1,240万円
2015年 1,098万円
2014年 1,154万円
2013年 1,071万円
2012年 1,143万円
2011年 1,169万円
2010年 1,140万円
2009年 1,143万円
【参考】賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種- 厚生労働省 歯科医師とは数百万円単位での差があります。 ※前述の通り、性別や役職、病院の種類によって年収は変わります。

海外の歯科医師の年収は?

ここまで国内における歯科医師の平均年収を見てきましたが、世界の歯科医師はどのくらいの年収を得ているのでしょうか。 ▼アメリカの場合 USニューズ&ワールド・レポートは、「2018 ベスト・ジョブ(2018 Best Job)ランキング」を発表しました。 これは、アメリカにおける給与の中央値や雇用率、成長率、将来の展望といった複数の視点から総合的に職業をランキングで表した調査です。 この調査で、アメリカの歯科医師の年収中央値は2018年で151,850ドル(日本円で約1,667万円/2020年2月時点での1ドル=109.79円換算)と発表されており、かなりの高額年収です。 アメリカの医療保険制度は、患者さんの自己負担額が日本に比べて高くなっています。 齲蝕一本の治療で数十万円を請求されることも珍しくありません。 これは、民間企業が医療保険を運営し、利潤を重視しているためです。 歯科医師の平均年収の背景には患者さんの負担額の高さもあります。 ▼スペインの場合 スペインの歯科医師の平均年収は、男性で176,000ドル(日本円で約1,932万円)となっており、世界で最高の金額です。 スペインの医療保険制度は、検査とレントゲン、抜歯のみ無料となりますが、それ以外は全て実費となります。 【参考】DentaGama ▼オーストラリアの場合 オーストラリアの歯科医師の平均年収は、男性で147,618ドル(日本円で約1,620万円)、女性で$106,563(日本円で約1,169万円)です。 【参考】オーストラリアに移住したパパのブログ

開業した歯科医師が年収を増やす3つのポイント

歯科医院を開業してから患者さんの数を順当に増やしていっても、いずれ売上は頭打ちになります。 保険診療は、国が診療報酬の点数を定めているため、自由な価格設定ができません。 人口減少や競合数の増加、経済成長率の低下といった市場要因から、保険診療だけで売上を伸ばすことは難しいといえるでしょう。 そこで、歯科医院ごとに自由に価格設定できる自費診療の割合を増やすことをおすすめします。 最後に、自費診療の患者さんを増やすためのポイントを3つ解説します。

①ターゲットを設定する

やみくもに自費診療を勧めても集患につながりません。 「保険診療に比べ、自費診療は高い」といったマイナスイメージを持っている方も多いため、患者さん側のベネフィットを説く必要があるでしょう。 住所、年齢、性別、職業、収入、価値観といった観点から明確にターゲットを設定することで、患者さんの課題を解決できます。 ターゲット設定ができたら、その人の目につきやすい媒体でベネフィットを感じる広告を打ち出すこととなります。 ポスティングや看板、SNS、院内のポスターなど、広告媒体はさまざまですが、その中からターゲットに合わせて適切な媒体を選びましょう。

②患者さんとのコミュニケーションを工夫する

広告媒体を使った自費診療のアピールだけでなく、来院した患者さんとのコミュニケーションを通して、自費診療を勧めることもできます。 患者さんのニーズに合わせて、自費診療を提案してみましょう。 提案する際には、話す側の表情や話し方、声のトーン、ジェスチャーといったノンバーバルコミュニケーションも重要です。 ただし、欲求を持っていない患者さんに対して自費診療を無理強いしても、マイナスの印象を与えてしまうだけです。 患者さんの話をしっかりと聞いた上で、必要であると判断できた場合にのみ提案してみてください。

③口コミを利用する

歯科医院は、患者さんから常に評価される立場にあると言っても過言ではありません。 来院した患者さんに満足してもらえたらプラスの評価につながり、不満点があればマイナスの評価になります。 通院する歯科医院を選ぶ際、SNSや掲示板などインターネット上の口コミを参考にする人も多くなっています。 口コミで高評価を得るためには、医療技術レベルの高さやスタッフの接客といった人的要素以外に、歯科医院内のアメニティや空気清浄機、プレイルームの設置、貸し出し傘の提供といった機能的要素も大切になってきます。 患者さんが満足して通院できる空間を作りましょう。 一方で、自費診療を無理強いするといったマイナスの口コミは広まりやすいため、注意が必要です。

理想の年収を目指して

これまでお伝えした通り、立場や性別、年齢、国によって歯科医師の年収はさまざまです。 勤務医であっても勤務する病院の経営状況によって年収は変動します。 人口減少や競合増加の中で、ご自身の理想の年収を目指すために、どのような働き方を選ぶべきかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。 【歯科開業支援コンテンツ】OneToOne Club