「住めば都」。 住み慣れた場所は居心地がいい分、離れるのは面倒なもの。 はっきりとした理由がない限り、知らない場所へ引っ越そうとはあまり思わないですよね。 これは歯科医院にも当てはまること。 患者さんに、他の医院から自分の医院へと引っ越してもらうことは容易ではありません。 既存の患者さんに再来院してもらうためのお金や労力と比べて、新規の患者さんに来院してもらうためのお金や労力は、5倍もかかるといわれています。 お仕事の内容に違いはありますが、携帯電話やスマートフォンの業界をイメージすれば、新規客の獲得には既存客の5倍のコストがかかるという話はイメージしやすいのではないでしょうか。 それでは、どのように患者さんにアプローチするのが効率的なのでしょうか。【既存の患者さんの支持率を知り、対策を練る】
既存の患者さんの支持率を、例えば次の数字で、変化や傾向として毎月チェックしていますか。 □リコール来院数とリコール葉書の発送に対するリコール応答率 □予約キャンセル率(連絡ありと、連絡なしの無断キャンセルの別) □カウンセリングやコンサル実施数と、それに対する成約率 □中断患者数と中断患者へのリマインドに対する中断復旧率 □紹介比率(新患のうち、紹介による新患の比率) これらは、業界平均と比較して一喜一憂するための数ではありません。 ご自身が経営される歯科医院の過去と比較して、その動きをチェックすることが大切です。 既存の患者さんからの支持率が低下していないか、これを定期的にチェックしましょう。 支持率が低下すれば、患者さんの数が減ります。 そのあせりから、新規の患者さんを獲得するための広告宣伝費を投下しようと、効果的な打ち出しを模索する…。 そんなことをする前に、根底にある課題とむきあう必要がありますよね。 なぜ支持率が低下しているのか、どこに問題があるのか、そしてそれをどう解決すべきなのか。 支持率が低下しているという問題を解決せずに、新規の患者さんをむかえても、残念ながら、患者さんは定着しません。 結局は、「あせり」と「広告宣伝費を投下!」の悪循環から抜け出せないのではないでしょうか。【新規の患者さんに対する効率的な広告宣伝】
もちろん、新規の患者さんなくして、既存の患者さんを語れません。 新規の患者さんを効率的に獲得するために、支持率が安定しているときにこそ、新規の患者さんを獲得すべく広告宣伝費を投下することがもちろん理想です。 □まずは、支持率の把握と、支持率を維持、そして向上させるための対応 □つぎに、当年(当期)に見込まれる利益の範囲内で「広告宣伝費を投下!」 広告宣伝の手段がweb広告や看板広告の掲載料であれば、年払いも検討しましょう。 年払いした広告宣伝費のなかには、支払ったときに、支払った全額を費用にできるものもあります。 攻めだけではなく、節税という守りもあわせて検討することも大切です。 100%成功する魔法のような広告宣伝は現実的に存在しません。 だからこそ、支持率や利益、節税を意識して、「不確実」という広告宣伝のリスクをできるかぎり回避しながら、新たなアプローチに挑戦してみましょう。 他の歯科医院から、わざわざ引っ越してまで受診したくなる、そんな歯科医院を目指して。 関連記事 一事が万事定期的なメンテナンスのススメ 勘定合って銭足らず…資金繰り改善のヒント
・■法人とのお金の貸し借り…思わぬトラブルと解決法! ・覆面調査に垣間見る、本当にあった怖い話!? ・大切な患者さんを、効率的に”減らさず増やす”方法 ・勘定合って銭足らず…資金繰り改善のヒント ・一事が万事 定期的なメンテナンスのススメ