歯科医院の中には、患者さんの再診率の低さに悩まれているところもあるのではないでしょうか。
「患者さんにリピートして長く通っていただくには?」
「地域に根ざした歯科医院になるにはどうすればいいのだろう?」
など、頭を悩まされている歯科医師の方も多いことかと思います。
そこで今回は、前回と同様に赤松歯科医院の美人歯科医師・赤松佑莉奈先生をお迎えし、患者さんに長く来院していただくポイントなどについてお伺いしていきます。
赤松先生のインタビュー第一弾はこちら↓
【関連】美人歯科医師に学ぶ!①審美歯科を患者さんに勧める際の心構え
患者さんの負担を少なくすることがポイント
インタビュアー
患者さんのリピート率を上げるために、どのようなことを心がけられていますか?
赤松先生
来院することによる患者さんの負担を減らすために、一度にすべての治療を行わないようにしています。
例えば、虫歯を3本治したいという患者さんの場合、一回の来院につき一本ずつの治療にするなどという風な工夫をしています。
一度にすべての歯を治療してしまうと、噛み合わせが変わってしまう可能性があり、患者さんにその旨を説明した上で、「少しずつ治療を行なっていきましょう」という指導を行うよう心がけています。
歯科医院側にとっても、患者さんに再び来院してもらう動機付けにもなりますし、患者さんのストレスも減らすことができるからです。
また、料金面における患者さんの不安も軽減できるように注意しています。
特別な治療が必要なときなど、普段通っていただいてる通常の治療費よりも高額になることが予想できる場合は、事前に「次の治療では、こういったことを行うので、●●円かかりますよ」という告知をするように徹底しています。
患者さんの中には治療費がどのくらいかかるか不安方もいらっしゃるか思いますので、当院は特にこだわっていますね。
当院のリピーター率が高いのは、このように患者さんの負担を減らしている点も一因であると考えています。
その代わり、「患者さんに気持ちよく、ずっと来院してもらえるように」という気持ちでこのような取り組みを行っています。
インタビュアー
患者さんの満足度を高めることと、経営・収益のバランスが難しい気もしますが、その辺りはいかがでしょうか。
赤松先生
歯科医院の規模に寄るとは思いますが、一定数の患者さんが通われている歯科医院なら、無理な患者負担は控えた方が絶対にいいと思います。
目先の利益ではなく、長い目で見て信頼関係に勝るものはないからです。
患者さんとの信頼関係、「ラポール」を形成することは歯科医院経営においてとても大切です。
ラポールが形成されている患者さんにはフランクに接することができますが、新規の患者さんで、まだ通い続けてくれるか不安な患者さんには慎重に診療等を進めるべきでしょう。
歯科治療に関する患者さんの理解に注力
インタビュアー
お金の部分以外で、患者さんに長く通ってもらうために心がけていることはありますか?
赤松先生
スタッフ対応はもちろん、なるべく患者さんの要望に応えるようにしています。
例えば、治療すべき歯が何本もある患者さんだと、どこから治療したいかを本人にヒアリングします。
「この歯から治した方がいいとは思いますが……」とこちらから見て判断できる内容はまず伝えた上で、患者さんの意思を尊重してなるべく希望に沿うようにしています。
臼歯の方が齲蝕は進行しているけれど、「人目に触れる前歯から直したい」という患者さんには臼歯と前歯の治療を並行するなど、できるだけ患者さんの要望に沿って治療を行います。
インタビュアー
他に赤松歯科医院のリピート率が高い理由はどこにあるとお考えですか?
赤松先生
治療にどのくらいの期間・回数がかかるかをはじめに提示している点でしょうか。
当院では、チェアユニットの前にあるモニターに必要な治療やおおよそのかかる期間を映して、「この歯/この治療にはこのくらいかかりますよ」というのを患者さんに必ず説明してます。
患者さんは「いつまで通わされるの?」「あと何回くればいいの?」と不安に思っていることが多いからです。
また、定期的な歯科検診が必要な理由も、我々歯科医療従事者はもちろん理解していますが、患者さんはわかっていないことが往々にしてあります。
20歳を過ぎると歯周病のリスクが高くなってきますので、歯石除去など定期的な治療は必要であるものの、患者さん側の理解がないと、継続して通っていただくことはなかなか難しいでしょう。
こちら側がきちんと説明していないことで、「どうして歯科医院に行く必要があるの?」「治療もう終わったのでは?」と思う患者さんも多いです。
まずは患者さん自身にご自分の口腔内環境を知ってもらうために、当院では口の中の写真を撮って説明し、定期検診や歯科医療の大切さを実感してもらえるように心がけています。
はじめは歯についての意識が低く、1年に一度という低頻度だったり、自分が来たいときに……という患者さんもいらっしゃいますが、理解してくれた患者さんはずっと通ってくれます。
患者さんを根気強く指導する努力も、歯科医院にとって大切であると感じています。
インタビュアー
ありがとうございました。
まとめ
歯科医院の数が多く、歯科医療業界では競争が激しくなっています。
そんな中、新規の患者さんへのアプローチだけでなく、既存患者さんに対してもどのように対応していくかが歯科医院経営を成功させる鍵となるのではないでしょうか。
赤松先生の取り組みや心構えを参考に、ぜひ長く続く歯科医院づくりに取り組んでみてください。
