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歯科医院を辞める歯科助手への有効な対策とは?
業務や理由と共に考察

2019/9/3 歯科医院経営

せっかく歯科助手として歯科医院に就職したにもかかわらず、短期間で辞めて転職しようと考える人は決して少なくありません。歯科助手がすぐに仕事を辞めてしまうことに頭を悩ませている歯科院長もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、歯科助手が歯科医院を辞める主な理由や、歯科助手の離職に対する有効な対策などを具体的に紹介します。

1.歯科助手の役割

採用に時間やお金をかけてせっかく歯科助手を雇っても、なかなか定着せずに離職する人が多いことに頭を悩ませている医院は多くあります。歯科助手が離職する原因は、どこにあるのでしょうか。その理由を探る前段階として、まずは歯科医院における歯科助手の役割について正しく認識することが大切です。ここでは、歯科助手の代表的な仕事の役割をいくつか紹介します。

1-1.歯科医師のアシスタント

歯科助手は歯科医師の仕事のサポート役として、歯科衛生士とともに歯科医院などの医療現場で働いています。歯科助手は、国家資格を有してないため医療行為を行うことはできませんが、患者の誘導や介添、治療の準備や清掃など、歯科医師がスムーズに治療行為に取り組めるようにサポートする役割を果たします。

1-2.受付業務

電話やメールで問い合わせてきた方への応対や予約の受付、診察に訪れる患者への応対といった受付業務を行います。歯科医院が円滑に患者を受け入れることができるように、迅速に受付業務を行い、予約を適切に管理する作業を行います。

1-3.会計管理

診察が終わった患者に対し、診療報酬を計算し、会計処理を行います。そのほか歯科医院で必要な器具や備品などの購入手配、支払いなどの経理業務なども行います。

1-4.治療器具の準備や片付け

歯科医師や歯科衛生士が利用する治療器具を事前に準備します。一度使用した器具はきちんと洗浄し、滅菌処理を行うなど、衛生面に気を配る必要があります。その日の診療が終了すると、器具をそれぞれの収納場所に片付けます。

1-5.清掃

一日の診察が終わったあとや朝の診察が始まる前に、歯科医院の清掃を行います。歯科医院周辺の清掃も行い、患者が気持ちよく通院できる環境作りを行います。

2.歯科助手が仕事を辞める理由

歯科助手は想像以上に大変な仕事であり、離職率が高い職業のひとつと言われています。歯科助手が仕事を辞める理由はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、歯科助手が仕事を辞める具体的な理由を紹介します。

2-1.人間関係

歯科助手が仕事を辞める理由のひとつに、歯科医院内の人間関係があげられます。オーナーである歯科医師のパワハラやセクハラ、患者からのクレーム対応、歯科衛生士・歯科技工士やほかの歯科助手との人間関係の悪化が引き金になり辞めるケースがあります。特に歯科医院で働くスタッフは女性が多いため、必要以上に人間関係に気を使う状況に精神的に疲れて辞める人も多いです。

2-2.給与

医療系の求人サイトにおける歯科助手の平均給与は、180,000~210,000円となっています。一般的な女性の平均給与といえますが、個人経営の歯科医院の場合は注意が必要です。医院によっては賞与がもらえないケースがあるため、年収で換算すると平均金額に届かず、仕事内容に見合った給与が支払われないことを理由に辞める人も多いようです。

2-3.仕事内容

歯科助手の仕事は、患者の予約業務から受付、歯科医師のサポートや院内の清掃など多岐に渡ります。朝の開業準備から診療が終了したあとの片付けまで行うため、労働時間が長くなる特徴があります。治療以外の雑用のほとんどを歯科助手に任せている歯科医院も多く、個人経営の場合は特に注意が必要です。

2-4.研修体制

歯科助手の多くは、個人経営の歯科医院で働いています。基本的に個人経営の歯科医院は少数精鋭で医院経営を行なっているため、研修などの教育体制が十分ではありません。事前にしっかりとした研修を受けることなく現場で仕事を覚えながら働く必要があるため、仕事に馴れるまでに苦労するといった問題があります。通常の企業と違い人事部がないことが多く、スタッフを雇ったものの育てる体制ができていないためです。

2-5.入社前後のギャップ

歯科助手は歯科医院といった医療現場で働く仕事ですが、歯科医師や歯科衛生士のような国家資格が必要ありません。したがって、大学生や主婦などがアルバイトとして歯科助手の仕事を行なっているケースもあります。比較的参入しやすい仕事であると同時に、想像以上に仕事の内容がハードであるため、安易に仕事を辞めやすい特徴があります。また、実際の診療現場での仕事の重さがプレッシャーとなり仕事を辞めるケースもあります。歯科助手は直接医療行為は行わないものの、歯科医師や患者と近い距離で仕事を行います。医療の仕事は想像以上に責任のある重要な仕事であるため、歯科助手の役割に重みを感じて辞めてしまう人もいます。

3.離職率を下げるための有効な対策

歯科助手が仕事を辞めることは、歯科医院の経営に大きな影響を与えてしまいます。スタッフの人数が少ない個人経営の歯科医院であれば、歯科医師が自ら受付業務を行うことになり、診察に時間を奪われることになりかねません。ここでは、歯科助手の離職率を下げるための有効な対策を紹介します。

3-1.採用の強化

歯科医院の中には何ら採用基準を持たずに面接を行い、独断や感覚で歯科助手を採用している医院も存在します。院長の個人的な感覚で採用を進めると、バランスのとれた人材を採用できずに定着率を下げる結果になりかねないため注意が必要です。歯科助手の定着率をあげるためには、採用に明確な基準を設けて面接を行うことをおすすめします。ここでは具体的な採用条件をいくつか紹介します。 前向きでハキハキと話せる 医療や歯科医院の仕事に興味がある 身だしなみを整えている 時間を正確に守る 言葉遣いが丁寧

3-2.待遇の改善

歯科助手の給与や賞与、労働時間や社会保障など、労働者としての待遇や労働環境をもう一度見直すことが大切となります。低賃金で長時間労働を強いている場合は早急な改善が必要です。また、現在アルバイトなど非正規雇用で採用している歯科助手を、正社員や契約社員として採用することで、安定した収入を確保できるようになり定着率が高まるでしょう。

3-3.手厚い研修の実施

人材定着のために、歯科医院の中で定期的に研修を行うことも効果的です。歯科助手といえども医療機関で働く従事者であることから、業務上必要な範囲の研修を行い、自覚・責任感を高めることが大切です。研修の結果、日々目標を持って仕事に取り組むようになり、歯科助手が職場に定着することに繋がります。また、研修だけで終わるのではなく、学んだ知識を現場で活かせるよう、フォローアップ体制も整えておきましょう。

3-4.業務範囲の明確化

個人経営の歯科医院で働いている歯科助手の仕事は多岐に渡ります。歯科医院は何でもかんでも雑用をお願いするのではなく、歯科助手が行う仕事の内容を明確にして、安心して働ける職場環境を作ることが求められます。くれぐれも、受付や予約の管理だけでなく、通常は歯科衛生士が行うような医療行為を行わせることはやめましょう。

3-5.職場の風通し

院長や歯科衛生士、そのほかスタッフ同士のコミュニケーションが不足している歯科医院は、離職率が高い傾向があります。普段から互いに積極的に声かけを行い、明るい雰囲気を保つことで、患者の情報共有や質問を積極的に行える環境づくりをすることが大切です。風通しがよく意見を言いやすい職場であれば、自ずと歯科助手の定着率も高まるでしょう。

まとめ

それほど職員の数が多くない歯科医院では、歯科助手に任される仕事量が多く、離職率が高くなりがちです。ひとたび歯科助手が職場を去ってしまうと、ほかのスタッフの仕事量が増えて診察に影響を及ぼしてしまう可能性があります。安定した歯科医院経営を行うためにも、歯科助手が安心して仕事に取り組み、長期間仕事場に定着することができる医院づくりが大切となります。歯科助手が頻繁に辞めてしまうことに悩んでいるのであれば、今回の記事を参考にし、早い段階で対策を立てて試みることをおすすめします。