➂接着・充填
防湿 (呼気や唾液からの水分によるボンディング材の接着力低下を防ぐ。術野の明確化) 歯面清掃 (歯面に付着した接着阻害因子を出来るだけ排除する。ブラシによるものよりもパウダーを吹き付けるタイプを用いる方が効果的) エナメル質のみリン酸によるセレクティブエッチングをおこなう (未切削エナメル質とコンポジットレジン境界の接着力を向上させることで経時劣化による褐線を防ぐことができると考える) プライミング (プライマーをたっぷりと塗布し、規定時間を守る。その間象牙質部位をマイクロブラシにて撹拌してプライマー成分を充分に作用させる) ボンディング (エッチングされた面も含め窩洞に塗布) エアーブロー (ボンディング材を薄層化する。ワンステップボンディング材では弱圧~強圧にして溶媒や水を完全に飛ばし視覚的に波打たなくなるまで行うことが必要) 光照射 (光は直行すること、エネルギーは距離の二乗に反比例することを考慮して照射する角度や光源からの距離を調節する) 充填 (機能的な面を考えると必ず重合収縮するコンポジットレジンの特性を考慮して歯質の間にコントラクションギャップを作らない為にも、一度に重合させる体積を少なくして数回に分けて行う。窩底部の接着強さを得るためには必ず第一層は極めて薄い層をフロアブルレジンにて充填されることをお勧めする。C-factorにも注意をはらいコンポジットレジンが窩洞内で多くの面に接して重合しないような注意も必要) (審美的な面を考えると術前の診査により確認されたエナメル質・象牙質のそれぞれの色調と透明感に近しいコンポジットレジンを選択し積層する) ライニング (熱エネルギーによる歯髄刺激や光源から遠い部位への重合深度を考慮して明度の高い高流動性のものを用いる) デンチン層 (彩度が高く不透明度も高い。流動性は中等度のものを用いる) エナメル層 (明度が高く透明度も高い。形態再現がしやすい低流動性のものを用いる) ステイン (必要であれば隣在歯に同調させるためのキャラクタライズとして有効)
■接着・充填 臼歯部のケース
■接着・充填 前歯部のケース