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【滅菌技士さんに聞いてみた】感染予防にもつながる『滅菌』におすすめ商品や特殊な機構、使用上の注意点まとめ

【滅菌技士さんに聞いてみた】感染予防にもつながる『滅菌』におすすめ商品や特殊な機構、使用上の注意点まとめ
【滅菌技士さんに聞いてみた】感染予防にもつながる『滅菌』におすすめ商品や特殊な機構、使用上の注意点まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各歯科医院ではこれまで以上に歯科医療器具の滅菌への意識を持つことが大切です。

今回は、滅菌レベルでおすすめの商品や注目されている滅菌機の特殊な機構、滅菌の注意点などについて、滅菌技士さんにお話を伺いました。

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洗浄後の取り扱いや滅菌器の選び方

---「滅菌の前に洗浄をしっかりと行うことがポイント」というお話がありましたよね。 洗浄後、器具・器材を滅菌器に入れる際に気をつけるべきことはありますか? 器具・器材が重ならないように入れることと、付着している水分は拭き取ることです。 水分が付着していると、せっかく洗浄して汚れを落としたのに、滅菌不良を起こす可能性があります。 滅菌器は、高温高圧な飽和蒸気を器材の表面に当てることで、付着している微生物を殺滅するという原理です。 高温高圧な飽和蒸気というのは、沸騰したヤカンから出る湯気とヤカン口の間にある透明な部分をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。 この蒸気は、水滴が付着している部分には当たらないので滅菌温度に達せず、その部分は滅菌できないのです。 「水分なら滅菌中に蒸発するのでは?」と思われがちなのですが、残念ながら滅菌中に水滴が蒸発することはありません。 滅菌中、滅菌器の中には蒸気が充満していて、いうなれば湿度100%の状態だからです。 ですので、水分は必ず拭き取るかエアーなどで吹き飛ばすことを覚えておいてください。 ---滅菌商品はどのようにして選べばよいでしょうか? 歯科医院のほとんどで、オートクレーブ滅菌器を使用されているかと思います。 厚生労働省が『滅菌器』と認めたものであればどのメーカーのものでも問題ありませんが、器具に優しい滅菌器やタイマーが付いている滅菌器などさまざまな種類があり、価格も多様ですので、医院の事情に合わせたものを選べば良いでしょう。 例えばタイマーがついているオートクレーブだと、診療後に滅菌物を入れ、タイマーを出勤30分前くらいに滅菌完了できるよう設定するなどの使い方ができます。 滅菌は器具をセットするまでの最後の工程ですが、滅菌終了まで30~40分はかかりますので、歯科医院の帰り際にスイッチを押して帰る歯科医師の方もいらっしゃいます。 滅菌器を稼働させたままの帰宅や、休診日前夜の滅菌など、チャンバー内に長時間放置することに抵抗がある場合に便利です。 ★EⅡクレーブの商品ページはこちら また、オートクレーブの機種によっては、ハンドピースなど内腔物の内部まで、より確実に滅菌できる機構を持ったものが販売されています。 日本で普及しているオートクレーブの大半は『重力置換式』と呼ばれるものですが、感染管理に厳格なヨーロッパで普及している『プレポストバキューム式』と呼ばれる『クラスB』という規格の滅菌器がこれにあたります。 クラスBは、オートクレーブの中でも特殊な機構をもつ上位機種です。 この特殊な機構により、 内腔物の内部まで滅菌することができます。 歯科医院で多用されるハンドピースは内腔物であるため、『クラスB』の採用が広がっています。

オートクレーブの機構・仕組み

---「特殊な機構」とは具体的にはどのような違いなのでしょう。 オートクレーブは、ご存知の通り高圧・高温の蒸気を使って滅菌します。 言い換えれば、蒸気が一定時間、接したところのみ滅菌できるということです。 例えば、100℃以上に熱せられたフライパンでも、ほんの数センチの空間があれば、手をかざしても温かい程度ですが、100℃程度に沸騰したやかんの注ぎ口に手をかざすと熱いどころか大やけどします。 滅菌にはこの蒸気が持つ熱の力が必要なのです。 また、蒸気といえど、空気に触れると途端に熱エネルギーを失い、湯気となります。 要は、オートクレーブ滅菌にとって『空気』は大敵なのです。 だったら滅菌する時にはポンプで空気を抜いてしまえ、という発想がクラスBの機構です。 空気がないところに蒸気を充填させるので、例えば布の塊りであっても中心部まで熱は到達しますし、ハンドピースのような複雑な構造のものでも内部の空気はポンプで吸い出され、蒸気という名の高熱が隅々にまで行き渡り、菌やウイルスを死滅させます。 この方式や工程を『クラスB』『Bサイクル』という言い方をします。 ---一般のオートクレーブはどのような仕組みになっているのですか? 一般のオートクレーブも蒸気の熱で滅菌を行い、空気が滅菌の阻害要因であることに変わりはありませんが、空気を排除する方法が異なります。 重力置換式といいますが、空気と蒸気の比重の差を利用しているのです。 通常、空気と蒸気なら蒸気の方が軽いので、オートクレーブの滅菌庫上部には蒸気、下には空気が溜まっている状態になっています。 先ほどお伝えした通り、下に溜まっている空気は滅菌できるような熱エネルギーを持っていませんので、滅菌できません。 そこで、滅菌庫下部のバルブを一瞬開けることで、下に溜まっている空気を外に排出します。 これを数回繰り返すことで蒸気を充たしていくのですが、実は蒸気自体の空気を押しのける力は弱く、例えば布の塊を滅菌しようとした場合、布内部の空気を押しのけて蒸気が浸透するには相当の時間がかかります。 ハンドピースなど複雑な構造で内部に小さな空間を持つ器材も同様です。 空気が残ってしまった場合は、残念ながら未滅菌となってしまう可能性が高くなります。

滅菌機の使用方法や注意事項

---滅菌器を使用する上での注意点やポイントはありますか? 日本の法律上、『滅菌器』と承認されたものであれば、何を使っても問題ないのですが、間違った使い方をされているケースも見受けられます。 例えばオートクレーブだと、被滅菌物を入れてスタートボタンさえ押せば必ず滅菌できる、というものではありません。 炊飯器も、米と水さえ入れればご飯が正しく炊けるものではなく、炊飯器に応じた米の量と、それに見合った水の量でなければ炊けませんよね。 つまり、オートクレーブを使用する場合でも、非滅菌物の量を守る、器具・器材同士が重ならないように入れるなど、正しい使い方をする必要があるのです。 また、インジケータを用いて滅菌できているかどうかを確認することが、日本医療機器学会による医療現場における滅菌保証ガイドラインで求められています。 「滅菌器を使った」のと「滅菌できた」のとでは、雲泥の差があります。 ---オートクレーブは内部が高温になる機器ですが、被滅菌物への影響はないのでしょうか? 一般のオートクレーブでは滅菌工程の最後に『乾燥』の工程がありますが、乾燥の際に高温になってしまい、器具の劣化につながることがあります。 例えば、ハンドピースは135度までの高温には耐えられますが、乾燥に伴う高温によって劣化につながるため、大半のハンドピース類は「乾燥工程不可」に指定されています。 ハンドピースが劣化すると、回転数が上がらず、削る際に痛いなど、歯科医師にとってストレスになってしまいます。 そのため、歯科専用のオートクレーブの使用がオススメです。 ハンドピースに与える影響が少ないように、乾燥工程でも最⼤で135度までとなるオートクレーブの作りをしています。 そのため、乾燥に多少時間がかかりますが、熱による劣化を防ぐことができます。 ★スマートクレーブの商品ページはこちら スマートクレーブHSSの商品ページはこちら ICクレーブの商品ページはこちら ---ありがとうございました。 【関連】あなたにオススメの滅菌器探します! ~ 個性豊かな滅菌器たち ~

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