Dental Life Design

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変わる世界を生き抜く歯科イノベーションマインドのススメ
第1回:バイアスを外す心構え―当たり前を疑う―

2020/10/2 デンタル〇〇デザイン

ぼくは毎日「バイアスを外す」ことばかりを考えて生活している。どういうことか。例えば、世の中にある当たり前や自分の中の固定観念を認識して、その当たり前は本当に当たり前なのか、本当に必要なものなのか?と考えることをいつもしている。

この世界には、当たり前に見えて当たり前じゃない(かもしれない)ことは数多く存在している。また、それを変化させることで新しい便利なものが生まれたり、無駄なものがなくなったりする。おそらく皆さんも、最近の世界の変化を肌で感じ、ちょっとこれまでのようにはいかないかも?と思っているのではないだろうか。

せっかくなのでちょっと考えてみよう。皆さんが、「ふだん何気なく当たり前にやっていること」は本当に当たり前ですか?例えば、普段の日常臨床でこんなことを言っていませんか?「定期的に歯科を受診しましょうね」とか。

これは普通?当たり前ですか?
定期的に歯科を受診することは本当に必要?
定期受診なんかしなくても、患者さんの口腔環境が良好に保てればいい?
虫歯や歯周病のチェックが歯科医院で行うものと同じレベルで自宅でできれば、歯科を定期受診する必要はないかもしれない?

今回の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の流行のように、突然世界がガラッと変化するかもしれません。これまで当たり前に行われていた対面での会議や面談はもう好まれないのは当たり前。テレワークなんて当たり前。通勤?満員電車?就職活動?そんなものはなくなるかもしれない。製薬会社の営業が病院に来ることもなくなりました。

生活が変化すればその中にある医療ももちろん変化します。当たり前の外来受診はもうないかもしれない。病院に行くと感染症をもらうかもしれないから出来るだけ行きたくない。手洗いとうがいをしっかりやろう。三密を避けよう。

COVID-19がもたらした変化は他にもあります。例えばインフルエンザ。昨年と比較すると今年は明らかに報告が少ない。1000分の1ともいわれています。理由は何か。もしかしたら、最近になって一生懸命やり始めた手洗いやうがい、三密を避けることが徹底されているおかげで、インフルエンザにかかる人が少なくなっているのかもしれません。

インフルエンザはそもそもかかるものではないから、ワクチンもいらない、インフルエンザの検査も治療薬ももう必要ない。そんな世界になるかもしれません。

歯科の業界も同様です、突然世界中の人々が必死に歯磨きを始めるかもしれません。この世から虫歯や歯周病がなくなるかもしれません。そんな世界になったら嬉しいですがその逆もあり得ます。

歯周病を増悪させる新しいウイルスが蔓延し、歯科医院に行列ができるかもしれません。患者さんはウイルスに感染しています。歯科医師はウイルスの脅威にさらされながら歯周病の治療をします。歯科衛生士は全身の状態を診ます。血圧や脈拍、呼吸や脳波の変化を見ながら歯周治療を行う必要があるかもしれません。

歯科医師も歯科衛生士も医学を学ぶ必要がある。知っているに越したことはない。今から学んでも損はない。通院はもう当たり前ではないかもしれない。患者さんは自宅にいても良好な口腔環境を維持できる。そのサポートがオンラインでできるかもしれない。世界中を悩ませていたインフルエンザはもう過去の病気になるかもしれない。昔は成人の約8割が歯周病に罹患していた、そんな時代もあったねと、「ポケベルってあったね」と同じように話す時代が来る。変化に備えるといった消極的な予防より、前のめりに先手を打ちたい。バイアスを外して新しい世界をみよう。
(次回につづく)