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ウイズコロナの時代と対策 その14 高張食塩水を用いた鼻うがい

ウイズコロナの時代と対策 その14 高張食塩水を用いた鼻うがい
ウイズコロナの時代と対策 その14 高張食塩水を用いた鼻うがい


さてこちらのキットには、粉末がついており、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、塩化カリウム、グルコース、乳酸カルシウムなどが含まれている。
これを水200mLに溶かすと、乳酸リンゲルに類似した組成となる。



生理的食塩水より、さらに体液に近いので、鼻うがいでしみることはない。

ところで筆者は、粉末2袋を溶かした溶液で鼻うがいをすることがある。
それは以下の根拠によるものだ。

ウイルスを感染させた細胞に食塩水を加えると、濃度が上がるにつれ、上皮細胞が次亜塩素酸(HOCL)を生成する。(参考1)
次亜塩素酸は、白血球中にも存在し、強力な殺菌作用があり細菌やウイルスなどから体を守る働きがある。
その結果、コロナウイルス、ヘルペスウイルス、RSウイルスの増殖が抑えられるという。
上皮細胞は、感染を防ぐために、このようなメカニズムを持っているのだ。

こんな介入研究もあった。
コロナウイルス上気道感染者は、発症後48時間以内に2群に分ける。
実験群は、自宅で高張食塩水を作り、必要な回数だけ鼻うがいを行う。(注1)



(参考1):1.5%、2%、2.5%、3%の高張食塩水で、患者が耐えられる最も高濃度のものを用いた。

コントロール群は、鼻うがいを行わない。
その結果、実験群は病気の期間が2.6日短縮された(実験群5.6日、コントロール群8.1日)。
また鼻づまりが3.1日、咳が3.3日日、かすれ声が2.9日減少した。










さらに感染者の体調にも大きく影響していた。(注2)

(注2):新型コロナウイルスを対象とした研究ではない。
しかし同じ属のウイルスなので同様の効果が期待される。
(参考2)

上記の論文を読んで以来、長時間の外出や会食後には、粉末量を多くして、鼻うがいを行っている。
2倍、3倍と濃度を上げてみたが、思ったほど鼻がしみない。
気になる方は、是非お試しいただきたい。


参考:
1) Ramalingam, S. Antiviral innate immune response in non-myeloid cells is augmented by chloride ions via an increase in intracellular hypochlorous acid levels. Scientific Reports, 8(1).
https://doi.org/10.1038/s41598-018-31936-y
https://www.nature.com/articles/s41598-018-31936-y

2) Ramalingam S. Hypertonic saline nasal irrigation and gargling should be considered asa treatment option for COVID-19.
J Glob Health. 2020 Jun; 10(1): 010332. doi: 10.7189/jogh.10.010332
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7193539/

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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