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ウイズコロナの時代と対策 その6 診療の前には、歯磨きをしてうがい薬で消毒

ウイズコロナの時代と対策 その6 診療の前には、歯磨きをしてうがい薬で消毒
ウイズコロナの時代と対策 その6 診療の前には、歯磨きをしてうがい薬で消毒
先日、某知事が"新型コロナウイルス感染症の予防にポピドンヨードでうがい"という発言があり、消毒液のイソジン®が店頭から消えた。
そこでポピドンヨードの殺ウイルス効果を調べた。



インフルエンザウイルスに対しては、14倍希釈(0.5%)で30秒作用させると、99.99%以上が不活性化される。
また2002~2003年に中国で猛威をふるったSARSウイルス(SARS-Cov)に対しても、15倍希釈(0.47%)60秒作用で、99.99%以上が不活性化されるとなっていた(in vitro)。

新型コロナウイルスでの実験は未だなかった。
しかし元来SARSと類似したウイルスで、コロナウイルス(Cov)の仲間である。
エンベロープと呼ばれる外膜を持ち、花弁状の突起(Sタンパク)を有し、それが王冠(ラテン語:コロナ)に似ていることから名付けられている。
新型コロナウイルスは、SARSウイルスと遺伝子レベルで80%、コウモリCovと約90%類似している。
そこでSARS-Cov(SARSウイルス)に続き、SARS-Cov-2(新型コロナウイルス)と国際的に命名された。
また感染症名はCOVID-19となった。
このような理由からポピドンヨードは、新型コロナウイルスに効果があるだろう。
しかし、甲状腺に対する影響もあるし、過度のうがいは常在菌にダメージを与えることは明白だ。
またpHは1.5~3.5であり、酸蝕症の可能性も高い。

しかし、歯科医院における診療前のうがいは、感染予防のために有効だろう。
ただせっかくなら、その前に歯を磨けばさらに有効だ。
うがいでは、歯垢の下まで消毒液が届かない。
しかも歯周病菌を始め肺炎球菌などの口腔内細菌は、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)を出し、ウイルスの侵入を容易にする。
また、歯周病などで炎症があれば、ウイルスの受容体(ACE2)も増える。



さらに、舌の表面にはこの受容体が多量に存在する。
同時に無数の糸状乳頭のため、ウイルスが留まりやすく増殖も容易になるだろう。
唾液が飛沫感染の原因になるのもこのような理由のためだ。
診療前に、まず歯ブラシで歯と舌を軽く磨き、うがい薬を用いれば、術者と患者間の感染予防になるだろう。





続く

参考:含嗽剤 イソジン®ガーグル液7%(シオノギ製薬)
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/770098_2260701F1271_2_04.pdf

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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