こんにちは。 人事コンサルタントの大橋高広と申します。 前回は、採用活動においては、はじめに「求める人物像」を設定するべきだということについてお伝えさせていただきましたが、今回も引き続き、求める人物像の設定に重要な「成長期待」について、お伝えさせていただきます。 前回、成長期待とは、入職後に期待する成長の程度ということをお伝えさせていただきましたが、具体的には下記の3パターンがあります。 ①入職時の業務を継続して担当していただき、スペシャリストとして活躍していただく ②入職時の業務を担当後、その経験や能力を活かし管理職として活躍していただく ③入職時の業務を担当後、その経験や能力を活かし他職種に異動または兼務し活躍していただく ①は、入職時の業務内容がそのまま継続されるため、とくに問題ありません。 ②は、入職時の業務内容には興味があるが、マネジメントに関する業務には興味がない、あるいはやりたくないなどの場合にミスマッチの可能性があります。 この場合、ご本人の退職の可能性があることはもちろん、管理職としての適性がない方を管理職にすることで、まわりのスタッフに悪影響があるなどについても注意が必要です。 ③は、入職時の業務内容以外の業務を担当していただくことになるため、ミスマッチの可能性があります。 たとえば、歯科衛生士から受付(自由診療を勧めるためなど)へ異動させるなど、とくに仕事ができる方に、その能力を他職種に異動することでさらに発揮してもらう場合に実施しがちな施策ではありますが、ミスマッチは離職の可能性を高めてしまいますので、ご本人の意向を確認しながら進めてください。 以上が、求める人物像を設定する際に重要な「成長期待」になります。 歯科医院経営では組織の成長に応じて、人員を編成していくということがよくありますが、医院で働くスタッフの希望をあらかじめ確認しておくことで、ミスマッチの可能性が限りなく低い適材適所の経営を実施することが可能になります。 採用後に優秀なスタッフの離職を防ぐため、ぜひ「成長期待」について設定してみてください。 それでは、次回は、「求める人物像」を設定する際に重要な5つの項目のうち最後となる「コンピテンシー」について、お伝えさせていただきます。 次回もどうぞよろしくお願いいたします。
著者大橋高広
株式会社NCコンサルティング
代表取締役社長
1982年生まれ。 大阪府出身。 人事評価制度、管理職育成、職場改善の専門家。 大阪商工会議所人事労務サポート推進パートナー、八尾市や守口市、門真市、和泉市などの商工会議所専門相談員。 同志社大学を卒業後、大手通信系企業にて歓楽街での飛び込み営業を経て、経済団体に入職し中小企業の経営支援に従事する。 その際、橋下徹氏による府政改革を経験。 その後、中堅製造業で総務経理を担当する傍ら、父から息子への事業承継を推進。 2015年、NCコンサルティングを設立。
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