口腔機能発達不全症を簡単で客観的に調べる方法として、前回"ロウソク吹き消しテスト"を紹介した。 ところで、高齢者における口腔機能向上を目的として"吹き戻し"が利用されている。 これは同時には最大呼気圧を測定する一つの指標ともなっている。 しかし最大の欠点は、さまざまなメーカーから販売されているが、大きく強度が異なることだ。 これでは、測定方法として利用できない。 そこで、あらかじめ規格化された"吹き戻し"(長息生活)を利用し、保育園児の口腔機能の調査をした。 この"吹き戻し"は、レベル0(超低負荷型)、レベル1(低負荷型)、レベル2(高負荷型)の3種類がある。 これを利用すれば、各レベルの吹き戻しにより、口腔機能を3段階に分けることができる。 判定は可能、不完全、不可能の3段階とした。 その結果、年少児(3歳児)では、レベル0は85.0%が吹けたが、レベル2では12.5%しかできなかった。 レベルが上がれば、強度もあがり吹けない小児が増加する。 次に年中児(4歳児)ではレベル0は全員吹けたが、レベル2ではわずか14.3%しかできなかった。 さらに年長児(5歳児)でも、レベル2になると83.1%は完全に吹けなかった。 これが、"吹き戻し法"を用いた保育園児の口腔機能の実態である。 さて、口腔機能発達不全の増加は、食生活の変化だけでなく、"口遊び"の経験不足とも関係していると考えている。 しかし、"口遊び"は家庭だけで行うには限界がある。 そこで、保育の集団で口遊びを行う機会を増やしていただいた。 さて半年後、再度"吹き戻しテスト"を行うと、どの程度口腔機能が向上していただろうか。 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
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人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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