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勤務態度等に問題のある社員の対応方法③
~問題社員を退職させることが
できない場合の対応方法~

2021/4/7 歯科医院経営

こんにちは。弁護士の佐賀寛厚です。

「問題社員の対応方法」についてコラムの第3回目となります。今回は、第1回目でご説明した解雇ができず、また、第2回目でご説明した退職勧奨にも応じない問題社員に対して、どのような対応方法があるかについてご説明します。なお、問題社員のパターンとしては、いくつかありますので、今回は、一般論をご説明し、次回以降に具体的な問題社員のパターンに応じて、具体的対応方法をご説明します。

~目次~
 1無期契約社員(正社員など)の場合
 (1)解雇できるのはどのような場合か
 (2)退職勧奨をする場合の注意点
 (3)問題社員を退職させることができない場合の対応方法
 (4)具体的な問題社員のパターンごとの対応方法
 2有期契約社員(契約社員やパート社員など)の場合

●問題社員を社内で放置することのリスクとは
問題社員について、法的に解雇ができず、かつ、退職勧奨に応じない場合、強引に解雇をしたり退職勧奨をするとリスクが高いことについては、第1回目と第2回目のコラムでご説明したとおりです。そうすると、使用者としては、当該問題社員を退職させることはできませんので雇用を継続しなければならないこととなります。しかしながら、勤務態度等に問題のある社員を社内で放置しておくことについては次のような様々な問題がありますので、何らかの対応をしなければなりません。
①問題社員が低いパフォーマンスを継続することにより会社に直接的な損失が発生する。
②問題社員に注意・指導するために、経営者や上司に過大な負担がかかる。
③問題社員が本来やるべき業務をやらないことから、そのフォローが必要となり、他の社員の負担が増えることになる。
④問題社員が、会社の秩序を乱したり、他の社員のやる気をそぐような言動をすることにより他の社員のモチベーションや勤労意欲が低下してしまう。
⑤問題社員が、会社の社会的信用を低下させる発言をしたり、適切な業務を行わないことにより、外部の取引先等の信用・信頼が低下してしまう。

●問題社員の社内での対応方法(一般論)
問題社員に対する対応方法として、最も重要なのは、問題社員に対する業務指導をすることです。問題社員に困っている会社に対して、このような説明をすると「業務指導や注意は、これまでも何回もやってきたのに全く効果がないんです。」ということをおっしゃる経営者の方がよくおられます。たしかに、業務指導をしても全く業務態度等を改善しないからこそ問題社員となってしまっているのですから、上記ご指摘はよく理解できます。しかしながら、業務指導は、対象社員の勤務態度等を改善させるという目的に加え、業務指導をしたにもかかわらず対象社員の勤務態度等が改善しなかったという証拠を作るという目的もあるのです。そして、業務指導をしたにもかかわらず対象社員の勤務態度等が改善しなかった場合、低い人事評価、配転や降職・降格、懲戒処分などの方法により、当該社員の社内での地位を下げたり、給与を下げたりすることにより、対象社員の業務態度等にふさわしい処遇とすることができますし、このような事実を他の社員に示すことにより社内の秩序の維持を図ることもできます。したがって、問題社員に対する業務指導にあたっては、このような証拠作りも目的とした対応をすることが重要なのです。そして、適切な業務指導をし、その後、当該社員の社内地位や給与を下げるという断固たる対応をした場合には、対象社員は、その会社にいづらくなり自ら退職をするというケースもかなり多いように思います(私の経験では、社内規程等も整備させていただいたうえで、上記対応をした場合、70%以上が自ら退職をしているというイメージです)。

●まとめ
以上のとおり、問題スタッフの院内での対応方法としては、対象スタッフの勤務態度の改善だけでなく、証拠作りも目的とした業務指導をしたうえで、業務指導に従わない場合には人事評価等において厳しい対応するというのが適切であると思います。そして、次回以降は、このような業務指導や人事評価等に関して、問題スタッフのパターンに応じて、具体的な方法をご説明します。