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口腔機能発達不全症 その10 某保育園での取り組みによる口腔機能の改善

口腔機能発達不全症 その10 某保育園での取り組みによる口腔機能の改善
口腔機能発達不全症 その10 某保育園での取り組みによる口腔機能の改善
某保育園では、口腔機能のアップを目指して"口遊び"の取り組みを増やした。
毎日の取り組みとして"あいうべ体操"と"風車まわし"を行った。



その他"吹きゴマ"、"ストローの魚釣り"、"ストロー射的"、"フーフーサッカー"、"スイカの種飛ばし"なども行った。

給食では、職種間での共通理解を深め、調理形態や食材選びも工夫した。
また、流し込み食べを防ぐため、お茶などは食後に飲むようにした。
もちろん園児達には、よく噛んで楽しく食べるための言葉がけを行った。





当初、保育士は、硬いおやつや野菜スティックが食べにくい、食べられないという印象を持っていた。
しかし、園児がよく噛むようになると、かえって食事時間が短くなった。
これは、噛まない・いつまで経っても飲み込まない園児が、短時間で食べるようになったためである。




さて、これら5か月間の取り組みにより、園児の口腔機能はどの程度発達しただろう?
取組み前に、"ろうそく吹き消し"・"吹き戻し"テストにより客観的に口腔機能を把握していた。



これを取り組み後と比較してみた。

10cm離れたところからの"ろうそく吹き消し"テストは、当初3歳児の52%であったが、約80%まで消せるようになった。



30cmになると3歳児では少々難しいようである。
しかし、5歳児になると当初54%であったが、85%まで可能となった。




次に"吹き戻し"テストについて見てみよう。
これには、レベル0(白 超低負荷型)、レベル1(ピンク 低負荷型)、レベル2(青 高負荷型)の3段階がある。
レベルが上がれば、強度もあがり吹けない園児が増加する。
レベル0は、すべての年齢においてほぼ全員が可能であった。
3歳児では、当初レベル1は59%が吹けたが、89%までが可能となった。



また、4・5歳児でもほぼ全員が可能となった





レベル2になると強度が上がり、各年齢群で吹けるのは約10~20%であった。
しかし、5歳児では取組み後に約65%が可能となっていた。
以上の様に、"口遊び"により小児の口腔機能が向上することがわかる。
また、これらのテストは、その客観的指標になることがわかる。


続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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