某幼稚園で歯科衛生士がエプロンシアターを行っていた。 それを見ている子ども達の様子を順番に撮影した。 しっかり口を閉じて聞いているのは、13名中たった2名であった。 残りの10名は口が開き、1名は下顎が後退している。 この現状を見て、子どもの将来が心配になるのは、筆者ばかりではないだろう。 もちろん、歯科衛生士の話が上手で聞き入っているかもしれないが・・。 さて、筆者の調査でも、"常に口が開いている"保育園児(3~5歳 約1200名 担当保育士による判断)の割合は約30%にも達していた。 口が開く原因は、多くの要素が考えられる。 耳鼻咽喉科領域では、アレルギー性鼻炎などによる口呼吸は、"鼻呼吸障害"と呼んでいる。 もちろん、口呼吸が原因で鼻呼吸障害を引き起こす可能性もあるが、ここでは除外する。 これら"鼻呼吸障害"による口呼吸は、口腔機能発達不全症とは異なる範疇に入る。 現在、歯科領域で問題となっているのは、口腔機能発達不全症による習慣性口呼吸である。 しかし、習慣性口呼吸は、単一の原因により起こるものではない。 そこで、その原因を分類し、それぞれに合った対処法が求められる。 そんなことを考え、筆者なりに大きく5つの原因に分けてみた。 主な習慣性口呼吸の原因 A:硬組織に原因があるもの 1:歯・歯列の問題 2:顎骨の問題 B:軟組織に原因があるもの 3:口輪筋など顔面表情筋の問題 4:舌とその周囲筋の問題 C:その他 5:姿勢などの問題 これらの要因が、複雑に絡み合っていると考えられる。 それぞれの原因について考えてみよう。 まず硬組織に原因があるもの 1:指しゃぶり・おしゃぶりによる口呼吸 指しゃぶり等により上顎乳前歯の唇側傾斜の問題で、口唇閉鎖不全となり習慣性口呼吸となる。 2:下顎骨・舌そのものが重力に負けて惹起される口呼吸。 低緊張の脳性麻痺児やダウン症児は、筋肉の低緊張の問題で重力に負け閉口できず習慣性口呼吸となる。 これら硬組織の問題は,これまで学んできた原因である。 では、軟組織ではどうだろう? 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
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人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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