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英語のススメ(1)英語が重要だと思うワケ

英語のススメ(1)英語が重要だと思うワケ
英語のススメ(1)英語が重要だと思うワケ
新型コロナウイルスなど、世界中で同じことが注目されて大きなニュースになる場合に、海外と日本の報道の違いがよくわかります。そして、日本語だけの情報では偏ってしまうと、つくづく痛感します。米国内科専門医・感染症専門医の安川康介先生のツイートです。



神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授も2018年に次のようにインタビューに答えていました。「そしていまは残念ながら、日本の情報よりも英語の情報の方がはるかに妥当性が高いんです。」

小さな疑問をたくさん聞く 頭がすっきりする風邪の話。 - ほぼ日刊イトイ新聞
https://www.1101.com/kaze_a/2018-09-29.html

ところで、一昔前は、世界一の人口を誇る中国の国力が増し、英語の重要性も下がるかなと思ったりしました。そして、漢字を知っている私たち日本人にアドバンテージがあると思っていましたが、2030年までにインドが世界一人口が多くなるというニュースを聞いて、その認識を改めました。人口が世界第一位の国が250年ぶりに変わり、その国が英語を話すのです。しかも、インドの人口ピラミッドは2050年でも働き盛りの世代が多いらしいため、勢力もしばらく衰えないでしょう。一方、中国は少子高齢化が顕著になっていきます。スウェーデン・ルンド大学の学生がインドと中国の人口ピラミッドの変化について2050年までの予想図をわかりやすく作成しています。下のリンクから、その予想図を見ていただけます。

This graphic shows India's population overtaking China | Nature Index
https://www.natureindex.com/news-blog/this-graphic-shows-indias-population-overtaking-china

そんなわけで、これからさらに英語が重要になり、メジャーな情報は英語に集まっていくでしょう。情報を入手する際に、主要言語を使う利点を挙げると、

o情報量が圧倒的に多い
o検索が容易である
o機械翻訳が進化している
の3つがあります。

情報量の多さは、例えばオンライン百科事典のウィキペディアで、英語で書かれた記事数と日本語で書かれた記事数には5倍の差があります(2021年4月23日時点)。検索が容易であるのは、例えば生命科学系の論文データベースPubMedを使うと、類義語も含められるMeSHで検索できたり、単語の途中にアスタリスク(*)をつけて語幹が同じで語尾が違っても一緒に検索できたりと便利な機能があります。そして、機械翻訳はほんの数年前まで英語と日本語の間では全く使い物になりませんでしたが、今はかなりよくなっていて、次のようなフリーの機械翻訳が、歯科分野の専門用語でもある程度意味が通るようになっています。


お試し翻訳|AI自動翻訳『みらい翻訳』
https://miraitranslate.com/trial

DeepL Translate
https://www.deepl.com/en/translator

Google Translate
https://translate.google.com

こういう便利なツールを使って、日本語だけの閉じられた世界から解き放たれることをお勧めしたいです。"You are what you read."と言われるくらい、どのような情報を取るかで自分自身が決まってしまうので!

本記事は、2021年4月23日の「日曜のフィーカ」の内容に基づいています。

「英語のススメ(2)」へ続く

著者西 真紀子

NPO法人「科学的なむし歯・歯周病予防を推進する会」(PSAP)理事長・歯科医師
㈱モリタ アドバイザー

略歴
  • 1996年 大阪大学歯学部卒業
  •     大阪大学歯学部歯科保存学講座入局
  • 2000年 スウェーデン王立マルメ大学歯学部カリオロジー講座客員研究員
  • 2001年 山形県酒田市日吉歯科診療所勤務
  • 2007年 アイルランド国立コーク大学大学院修了 Master of Dental Public Health 取得
  • 2018年 同大学院修了 PhD 取得

西 真紀子

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