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口腔機能発達不全症 その13
口唇閉鎖力の強い児童は視力が良い?!

2021/4/26 デンタル〇〇デザイン

約15年前、ある小学校で口唇閉鎖力について調査したことがある。
その際、5・6年生の視力の資料があったので、両者の関係について調べた。
すると驚くべき結果が得られたのである。
口唇閉鎖力が強い児童約30%と弱い児童30%の視力を比べると、前者の平均は1.27、後者は0.94と両者の差は0.3もあった。



これが事実だとしたら、どのような理由によるものなのだろう?


さてそれより前、咀嚼による皮膚表面温度の変化についてサーモグラフィーを用いて調べたことがある。
まず顔面の皮膚表面温度を測定する。その後グミを前歯部で1分間噛み5分後に再度測定した。
当然ながら、咀嚼の前後で口腔周囲や頸部の温度が上昇した。
これは血流量の増加や筋活動の上昇が考えられる。
ところが・・である。
眼の周囲の温度も上昇していたのである。



当初、この研究には何らかのエラーがあったと思い中止した。
しかし、口唇閉鎖力と視力との関係が事実だとすれば、両者に共通するものは、顔面表情筋が考えられる。


そこで顔面表情筋について述べてみよう。
さて魚類や爬虫類は、口の裂け目に厚い皮が張り付いているだけで口輪筋を持たない。
また顔面表情筋がないので、その顔は冷たく無表情だ。



一方哺乳類は、母乳を吸啜するため口輪筋などの顔面表情筋が発達した。




しかし下等な哺乳類の上唇は、二つに分かれて濡れた鼻の一部に入り込んでいる。
また、歯肉に移行し、上唇を動かすことができない。
すなわち、口輪筋は口の周囲を取り囲んでいないのだ。
まだ陰圧形成ができず、乳首を舌で舐めたり、しゃぶったりなどの飲み方になる。
これは、イヌやウサギを想像すればわかる。
次に高等なサルになると、口輪筋は口の周囲を取り囲む。



類人猿では、口唇が発達するため完全な吸啜が可能となる。
ヒトの人中は、この過程の名残である。


ちなみに、ヒトの口唇の赤い部分"赤唇縁"は、粘膜が薄いため血液が透けて見える。
これは皮膚と粘膜の移行部が、めくれ上がったものでヒトの特徴といえる。

続く