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口腔機能発達不全症 その18
“消費者庁 小さく切って与える”VS
“母子手帳 小さいものは危険”?!

2021/7/12 デンタル〇〇デザイン

数年前、小学校1年生の女児が、学校給食で窒息死したという悲しい事故があった。
駆けつけた救急隊員が喉から取り出したものは"ウズラの卵"であった。



"コンニャクゼリー"・"ナッツ類"・"白玉団子"・"プチトマト"などは窒息事故を起こしやすいことは知られている。
しかし"ウズラの卵"には驚いた。
いったい、どのような食べ方をして事故を起こしたのだろう?
ふざけて食べていたのか?食材の問題なのか?あるいは、口腔機能の問題なのか?
残念ながら精細には公表されていない。
そのためか地域によっては、保育所や小学校の給食では"ウズラの卵"の使用を控えているという。
人口動態調査によると1~14歳の死亡原因の第1位は不慮の事故である。
なかでも"食品による窒息"が主要な位置を占め、その大半が4歳児以下である。
筆者も、窒息による低酸素脳症で重度の障がいに陥ったり、死亡した子どもを何人も診てきた。
昨日まで元気な子が、わずかの油断でこのような状態に陥る。保護者にとって、悔やんでも悔やみきれないだろう。


そこで消費者庁からは、"小さく切るように"、"よく噛んで食べさせるように"と通達されている。



しかし、"小さく切ること"が根本的な解決策にならないのは明白である。
また"よく噛んで食べさせる"ことができないから現場は困っている。


さて、母子健康手帳には、誤飲防止のしおりが付いているものがある。



これは、誤飲と窒息予防のためのもので、赤ちゃんの最大口径である39mmの穴があいている。
これより小さいものは、口に入ると危険なので、手の届く所に置かないようにするための目安としているのだ。



誤嚥事故を防ぐため、"消費者庁は小さく切って与える"と勧告しているが、"母子手帳は、小さなものは口に入ると危険"との記載がある。
これでは、保護者や教育現場の混乱が増すばかりである。


いずれにせよ、口腔機能発達不全と誤嚥とは関係が深く、事故の原因を探ることが再発防止の第1歩である。
現在、口腔機能の発達の"みちすじ"が明確になり、その段階に合わせた離乳食の指導がなされている。



一方で、このような事故が多発する背景には、ここに表記されていない
"何か"が足りないのだろう。
今後、口腔機能発達不全症による誤嚥事故が増加することが予想される。
そのため歯科医師の立場からも、事故を未然に防ぐ手立てを考える必要がある。


続く