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しくじり先生の小児歯科 その3 今日の子どもは明日の大人

しくじり先生の小児歯科 その3 今日の子どもは明日の大人
しくじり先生の小児歯科 その3 今日の子どもは明日の大人
筆者は新入局の頃、治療困難な小児が来院する前夜に、その対応法についてイメージトレーニングをしていた。
そして、実際の診療場面に望むと、不思議なことに予想したほど泣かなかった。
きっと前夜に考えた、いずれかの対処法が通用したのだろう。
ここで気がついたことがある。
大泣きしている時に、こんな言葉がけをすれば“ピタリと泣きやむ魔法の言葉”はない。

泣いてからあわてるより、まず泣くか・泣かないかギリギリのレベルにいる小児を、どうしたら泣かせずにすむか?という方法を考える方が得策だ。

もし自分が小児であれば、どのようにされたら恐くないかを考え、思いついたことをそのまま実行すれば良い。
これを考えることは、そんなに難しいことではない。
例えば、チェアーを倒した途端、ライトを点灯させる。
もし、まぶしければ驚いて泣く可能性がある。
であれば、ライトは常に腹部に向けて点灯し、その後に口腔を照らす癖をつける。


たったこれだけで、泣かない可能性がある。
もちろん、それでも泣くかもしれない。
でも、このような工夫は1つ1点だとすると、10個あつまれば10点となる。
このようなポケットをたくさん作ることが、治療やアシスタントの技術を向上させるのだ。
さらに大泣きする小児も、早く泣かなくなり上手に治療ができるようになるだろう。

“予防”というと、まず“齲蝕予防”や“歯周病予防”を思い浮かべる。
しかし“泣きの予防”も立派な予防の一つといえる。
泣きの予防は、診療を楽にするばかりではない。
小児を上手に診る評判の歯科医院となるだろう。
しかも小児との信頼関係が増すと成人しても来院するに違いない。
「今日の子どもは明日の大人」なのである。

次回から、その具体的な方法について述べることにする。

参考:岡崎好秀.小児歯科診療最前線! 子どもを泣かさない17の裏ワザ.クインテンス出版,2014.  https://www.shien.co.jp/i/BK05583

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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