これまでは、恐怖心をあおる、“恐わがらせ型”の指導が多かった。 しかしこれを続けていると人間関係は、どうなるのだろう? あらためて読者諸氏に問いたい。 「読者は、患者に歯を磨かせたいのか? それとも、良い関係を結びたいのか?」こう考えると、後者を選ぶだろう。 いつも上から目線で、頼みごとを受けても素直に従おうという気になれない。 ついつい反抗してみたくなってしまう。 まず、良い関係をつくることが先決だ。 しかし臨床では、どうしても上・下の関係がつきまとい、どう話せばよいかわからない。 そこで、心を動かす言葉の使い方について考えてみよう。 読者は、血糖値が高く通院している。歯周病と糖尿病との関係を新聞で読んだ。 以前から、歯が動くし出血もする。 どうやら歯周病だ。 そこで歯科医院で歯石を取り、家でもていねに磨くように心掛けていた。 おかげで、動揺や出血が治まり、血糖値が下がって来た。 そこでメインテナンスの際、スタッフに血糖値のことを伝えた。 読者は、どちらの言葉を使われたら、より頑張ろうと思うだろう? A:「メインテナンスに通われ、家でもきれいに磨いておられるようです。だから、歯グキの状態が良くなり、血糖値まで下がってきました。これはあなたが頑張られたからです。」 B:「メインテナンスに通われ、家でもきれいに磨いておられるようです。だから、歯グキの状態が良くなり、血糖値まで下がってきました。だから、私はとっても嬉しいです。」 続く

著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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