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しくじり先生の小児歯科 その33 アドラー心理学のススメ “わたしメッセージ”あれこれ

しくじり先生の小児歯科 その33 アドラー心理学のススメ “わたしメッセージ”あれこれ
しくじり先生の小児歯科 その33 アドラー心理学のススメ “わたしメッセージ”あれこれ
診療室では、床矯正装置や上下一体型の機能的矯正装置(T4K・プレオルソなど)を用いることが増えた。
通常の固定式矯正治療は、歯科医が治すものである。



しかし、これらの装置は患者が治すものだ。
従って、装置を入れてくれないと効果がでない。
そこで、小児の協力を引き出すための言葉が必要となる。



ここでも“あなたメッセージ”と”わたしメッセージ”を比較してみよう。

装着時:
“あなたメッセージ”:この装置を頑張って入れてね。

“わたしメッセージ”:この装置を入れてくれると、とっても嬉しいんだ!
         :どれだけきれいになるか、楽しみにしているから!
         :○○さんの良くなったところ見たいんだよ。

次回来院時:
“あなたメッセージ”:この装置を頑張って入れているね。

“わたしメッセージ”:この装置を入れてくれて、ありがとう。
         :苦労して作った装置を入れているから、
          先生はとっても嬉しいんだ。
         :きれいになってきたから、嬉しいよ。
          どんどん良くなっていく様子を、楽しみにしているね。



これは、歯周治療の経過や補綴物の装着時などにも応用できるだろう。

他の例もあげてみよう。
1:痛みが取れてよかったですね。ホッ!としました。
2:ちょっとお声が出たけれど頑張ったんだね。とってもうれしいよ!
3:6歳臼歯が、きれいに磨けるようになったんだね。とても進歩したよ!
4:よく噛めるようになって、良かったですね。私もうれしいです。
5:大きな口を開けてくれたから、とっても助かったよ!

“わたしメッセージ”は、患者のやる気を引き出す言葉がけなのだ。


著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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