診療室では、床矯正装置や上下一体型の機能的矯正装置(T4K・プレオルソなど)を用いることが増えた。 通常の固定式矯正治療は、歯科医が治すものである。しかし、これらの装置は患者が治すものだ。 従って、装置を入れてくれないと効果がでない。 そこで、小児の協力を引き出すための言葉が必要となる。
ここでも“あなたメッセージ”と”わたしメッセージ”を比較してみよう。 装着時: “あなたメッセージ”:この装置を頑張って入れてね。 “わたしメッセージ”:この装置を入れてくれると、とっても嬉しいんだ! :どれだけきれいになるか、楽しみにしているから! :○○さんの良くなったところ見たいんだよ。 次回来院時: “あなたメッセージ”:この装置を頑張って入れているね。 “わたしメッセージ”:この装置を入れてくれて、ありがとう。 :苦労して作った装置を入れているから、 先生はとっても嬉しいんだ。 :きれいになってきたから、嬉しいよ。 どんどん良くなっていく様子を、楽しみにしているね。
これは、歯周治療の経過や補綴物の装着時などにも応用できるだろう。 他の例もあげてみよう。 1:痛みが取れてよかったですね。ホッ!としました。 2:ちょっとお声が出たけれど頑張ったんだね。とってもうれしいよ! 3:6歳臼歯が、きれいに磨けるようになったんだね。とても進歩したよ! 4:よく噛めるようになって、良かったですね。私もうれしいです。 5:大きな口を開けてくれたから、とっても助かったよ! “わたしメッセージ”は、患者のやる気を引き出す言葉がけなのだ。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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