インフルエンザウイルスの主要な侵入経路が、鼻腔内の上咽頭付近である。 ここは、歯科医師にとって死角となる場所だ。 口の中を見ると、舌の上方に口蓋垂、側方には口蓋扁桃、後方の壁が中咽頭である。 ガラガラうがいの消毒液は、せいぜいここまでしか届かない。そこで登場するのが、“鼻うがい”(鼻洗浄)。
(注1) これが、風邪・新型コロナ・インフルエンザなどの呼吸器感染症、さらに花粉症などのアルルギーの予防になる 例えば、インフルエンザはこの部位に侵入するのに約1~2日。 そこで体内に入る前に鼻うがいで洗い流す。
真水や海水で鼻がしみて痛むのは、浸透圧の問題だ。 そこで、体液に近い付属の洗浄液や生理的食塩水を利用する。 これは、感染リスクの高い歯科医療従事者にとっては朗報だ。 診療後に行うとより効果的だろう。 ここで鼻うがいの具体的な洗浄方法と注意点をまとめる。(注2) まず、洗面台や風呂場で、顎を引きやや前傾姿勢をとる。 プラスチック容器を押し、洗浄液を鼻腔内に入れ、中の汚れを軽く洗い流すイメージで行う。 洗浄液は、鼻中隔後方の上咽頭付近まで達し、反対側の鼻孔や口から出る。
これを左右交互に2・3回ずつ行う。 また、“エ~”と声を出しながら行えば、耳への負担が軽くなる。 そして洗浄後、軽く鼻をかむ。 強圧をかけると、中耳炎を引き起こす可能性があるためだ。 あまり頻繁に行うと、粘膜を保護するムチン層が取れるので一日一度を目安にする。 また頭部の角度により副鼻腔に入り込み、後で下を向いた際に鼻孔から流れ落ちることがある。 もちろん、耳鼻科疾患の既往がある場合、医師と相談することも必要だ。 注1:鼻うがいで上咽頭まで洗浄液が届くことを確認される(提供:今井一彰先生)。 https://youtu.be/Q0Y856IOFCk 注2:フローサイナスケアの使用方法 https://www.dental-plaza.com/article/flo_sinus_care/?_ga=2.18527929.1411367775.1596951386-852101757.1582517816 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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