今、“マウステーピング”がブームを起こしていることはご存じだろうか? これは、就寝時に口呼吸の予防のためにテープを貼るだけだ。 筆者も“あいうべ体操”や“鼻うがい”に加え、“マウステーピング”を行ってきた。 おかげでコロナ禍でも感染を免れた。 おまけに、春先に花粉症に悩まされることもなくなった。 その仕掛け人が、松本市のなかじま歯科医院の中島潤子先生である。 先生は、口呼吸に注目し、約1000名の患者にマウステープ療法を行っている。 テープを貼るだけで簡単に鼻呼吸となる。口呼吸に陥ると ①体内に取り込む酸素量の減少 ②口や喉が渇くことで症状が出る ③慢性上咽頭炎関連症状が誘発される。 これらが・めまい・耳鳴り・イライラ・頭痛・肩こり・睡眠障害・夜間頻尿・ドライマウスなどの原因となる。 テーピングで鼻呼吸に誘導すると、これらの症状が改善されるという。 また深い睡眠を得ることで、夜間頻尿の減少にもつながる。 きっと、読者自身の体調管理に役立つ部分があるはずだ。 ちなみに、先生が勧めるマウステーピングの方法は、 ①幅の広い医療用テープ(例 Nitto 優肌絆)を5cm程度切り縦に貼って寝る。 ②初回は、起きている間に口テープを貼り、呼吸に問題ないか試す。 ③アレルギー性鼻炎など真性の口呼吸・5歳未満の小児は使わない。 参考1:外鼻孔から入った空気は、鼻腔後方で下方に向きを変え咽頭部に至る。急に向きを変えるのが上咽頭であり、この付近では埃や細菌が停滞しやすい。 そのためここにリンパ組織(アデノイド)が存在し、細菌やウイルスの侵入経路の一つとなっている。
参考2:耳鼻科医が、風邪で喉が痛む部分を診ても炎症がないことが多い。しかし、その90%が、上咽頭に認められるらしい。これは関連痛の一つと考えられている。 ここで注目されているのが上咽頭の炎症である。コロナ後遺症が問題も慢性上咽頭炎によるものと考えられる。そのため上咽頭擦過療法(EAT)、個人療法として鼻うがい(商品名 フローサイナスケア 発売元モリタ)や梅エキス(商品名:ミサトール リノローション アダバイオ社)による上咽頭洗浄が有効とされている。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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