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労使トラブルを未然に防止!
就業規則のススメ

2018/9/14 歯科医院経営

仕事には付きものともいえる、繁忙期と閑散期。
年末年始の旅行会社や、週末の居酒屋。
多くの仕事には、猫の手を借りたいほど忙しい時と、そうでない時があるものです。

もちろん、歯科医院も例外ではありません。

今回は、そんな変動する仕事状況に対応でき、円滑な労使関係を築くための、抑えておきたい「就業規則」についてご紹介しましょう。


【残業手当はいるの?いらないの?】

1日8時間、1週間で40時間。 これは、従業員が毎月定額の給与で働ける、労働基準法で定められた上限時間です。 つまり、これらをオーバーすると「残業手当(割増賃金)」が必要になります。 もちろん、残業手当を払うからといって、無制限に働いてもらってよいわけではありません。 では、ここでクイズ。 次の場合、残業手当はいる?いらない?どちらでしょう。 月:9時間勤務 火:9時間勤務 水:9時間勤務 木:9時間勤務 金:休み 土:4時間勤務 日:休み 合計 40時間の労働 「月曜から木曜は各1時間オーバーだけど、1週間で考えると40時間に収まっているから、残業手当はいらないのでは?」という意見、それは不正解です。 正解は、残業手当がいります。 「1日8時間以内」かつ「1週間40時間以内」、つまり両方の要件を同時に満たす必要があるため、片方だけが満たせていない場合も残業手当が必要なのです。 しかし、冒頭でお話したように、忙しさが変動することもあります。 そういった時に役に立つのが「変形労働時間制」です。

【就業規則に「変形労働時間制」を謳えば答えが変わる?】

「変形時間労働制」とは、1カ月を平均して1週40時間以内の勤務とする制度で、平均して1週間の勤務時間が40時間以内となるのであれば、次のような場合にも、残業手当を支払う必要がありません。 □特定の日において8時間以上を勤務する場合 □特定の週において40時間以上を勤務する場合 先ほどのケースでは、1週間の勤務時間は40時間に収まっていましたが、1日の勤務時間が9時間であったため残業手当(割増賃金)が必要となりました。 しかし、この制度を活用すれば、先ほどのケースでも残業手当を支払う必要はありません。 この制度は、「労使協定」を締結するか、「就業規則」にその旨を明記することが求められます。 「労使協定」の締結は、一度締結したからこれでOKではなく、有効期限を定め、期限が来れば再び締結を行わなければなりません。 そのため「就業規則」に明記するという対応がお勧めです。

【従業員10人以下だったら就業規則はいらない?】

就業規則は、常時10人以上の従業員を雇用する場合に作成と届出が義務づけられています。 しかし従業員が10人に満たない場合でも、就業規則は任意で作成することが可能です。 例えば、ある朝突然、従業員からこんな電話がかかってきたらどうしますか? 従業員  「先生、今日は有給休暇をいただきます!」 院長先生 「え、今日!?そんな当日に言われてもダメだよ…!」 従業員  「そんなルール、どこに書いてありますか?」 院長先生 「か、書いてないけどさあ・・・。(困った・・・。)」 「そんなの社会人として常識じゃないか!」と突っぱねたくなるところですが、就業規則がなければ、よほどの理由がない限り、この突然の有給休暇も認めざるを得ません。 仮に就業規則があったとしても、そこに有休取得のルールが定められていなければ同様です。 そればかりか、就業規則に定めがないと、医院の規律を守るための懲戒解雇を行うこともできません。 一方、就業規則が引き金となって、従業員の権利主張が激しくなることも考えられます。 しかし、今は波風がなくとも、情報化社会のなかで労使トラブルがある日突然!を考えれば、届出義務がないとしても、就業規則で先手を打つことには、数多くのメリットが内在しているのではないでしょうか。 就業規則は、従業員の権利を守るだけではなく、医院の権利を守るものでもあります。 現在の労使関係や労働環境などを踏まえ、ぜひ一度はご検討ください。