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歯科医院の差別化のカギ『マネジメント』で組織力を強化する方法とは

歯科医院の差別化のカギ『マネジメント』で組織力を強化する方法とは
歯科医院の差別化のカギ『マネジメント』で組織力を強化する方法とは
歯科医院の経営で欠かせないのがマネジメントです。
今回は、マネジメント不足によって起こり得る課題や対策、活用すべきサービスについて解説します。

医院経営にお悩みなら、解決のヒントが得られるかもしれません。

歯科医院でよくある課題

歯科医院の院長やオーナーがぶつかる課題について3点解説します。

キャンセル率が多い

キャンセル率が高いと、赤字や倒産のリスクにつながります。 例えば、月間の売り上げを100%、固定費70%、変動費20%、利益10%とします。 キャンセルにより売り上げが10%下がると、売り上げ90%、固定費70%、変動費18%、利益2%となり、利益が5分の1まで縮小してしまいます。 十分な赤字や倒産のリスクとなり得るため、10%であっても侮ることはできません。 キャンセルを防ぐために、予約日の3日前〜前日にメールや電話でリマインドを行うことをおすすめします。 ただし、予約確認という目的を全面に出さないように気をつけてください。 「〇月〇日〇時からご予約頂いておりますが、何か変わったことはありませんか」といった言い回しで、患者さんを気遣うために電話したことを伝えましょう。 予約確認を全面に出すと、「キャンセルすると疑われているのか」と不信感につながりかねません。 また初診の際には、患者さんに「きちんと通院しないとマズい」という意識を持ってもらうことも大切です。 計画通り、治療を進めなければ、より治癒に時間を要してしまうといったデメリットを伝えておくことも一つでしょう。 キャンセルは、待ち時間の長さや、スタッフの接客など歯科医院側の要因にも左右されます。 時間短縮のために普段から診療をスムーズに行える努力と、患者さんとスタッフの間での信頼関係を築くことも大切です。

接客サービスの質が低い

他の医院と技術やサービスで差別化を図るだけでなく、マイナス要因を減らすことも重要です。 特に接客サービスは外せません。 患者さんが歯科医院に通う目的として「歯の治療」「歯のクリアランス」などが挙げられますが、技術の高さ、料金の手軽さだけで歯科医院を選んでいる訳ではないからです。 「〇〇さんにお願いすると安心するから」といった人同士のコミュニケーションを重視して通う方も当然います。 いくら技術が高いと言っても、無表情で、挨拶の声も小さく、身だしなみが乱れたスタッフのいる歯科医院に通いたいでしょうか。 「イエス」と答える方は少ないはずです。 コミュニケーション面でマイナスに評価されないよう、明るい挨拶や患者さんへの気遣い、笑顔、身だしなみなどのポイントを押さえておきましょう。

スタッフが育たない・すぐに辞めていく

多くの院長やオーナーが課題として認識しているのが、スタッフ管理や人材育成です。 スタッフ自身が仕事内容にやりがいや成長を感じていなければ、辞めていってしまいます。 そのため院長やオーナーは人材育成に注力しなければなりません。 人材育成で挙げられる課題は、 ・育成のための時間や予算を確保できない ・技術レベル以外の、接客などの要素で評価されにくい ・新しく入職したスタッフが目標を掲げ、それに自ら向かうのが難しい ・指導や育成の土台となる職員同士の信頼関係を築けていない などです。 一方で、これらの課題を解決するためには、 ・理想のスタッフ像を院長や先輩が自ら示す ・技術や接客における熟練度をチェックリストなどで評価する ・新人スタッフには指導の先輩を設けて、一緒に目標設定をしてあげる ・スタッフ同士のコミュニケーションが活発化するよう、環境を整備する といった対策が必要です。 医院の状況に応じて、対策を講じましょう。

なぜ歯科医院でマネジメントが必要なのか?

前述の課題は歯科医院のマネジメント不足で生じてしまう恐れがあります。 歯科医院とマネジメントは切っても切り離せないことを理解しておきましょう。

歯科医院と一般的なマネジメントの違い

そもそも、歯科医院と一般企業におけるマネジメントは異なります。 なぜなら、一般企業と違い、スタッフの95%以上が女性だからです。 女性は、結婚や妊娠、出産といったライフイベントをきっかけに、働き方が変化することが少なくありません。 こういった要因に左右されやすいのが、歯科医院の経営です。 そのため、院長は自身がスタッフをマネジメントするだけでなく、マネジメントできるスタッフを日頃から育てていかねばなりません。 さらに育児や出産で働けないスタッフが出ることを見越し、常に新人を採用、育成する必要もあります。 同時にいくつものマネジメントを行うのが、院長の役割です。

歯科医院の業績を改善するポイント

こういったマネジメントの特徴がある中で、業績を改善するポイントを解説します。

スタッフ教育方針の改善

まず、スタッフの教育方針から取り組みましょう。 フランチャイズや一般の歯科医院のマネジメントにおいて「新人を育てられる中間層スタッフ」の存在は重要です。 しかしながら、多くのスタッフが新人レベルのままで成長を止めてしまっています。 この原因は、主に2つあります。 1点目が、やり方に偏った教育です。 滅菌のやり方、レントゲン撮影準備のやり方、片付けのやり方といった、やり方ばかりの教育では当然モチベーションは上がりません。 ただの作業になってしまうからです。 そこで、やり方だけでなく「仕事へのあり方」も同時に教育していきましょう。 患者さんや同僚への向き合い方、治療に関する考え方といった、「あり方教育」も重視してください。 2点目がスタッフとの信頼関係不足です。 理想的な中間層スタッフは、医院の理念や方針、院長をはじめとする医院スタッフのことが好きで、医院を今以上に良くするために成長や育成に励んでくれる人材です。 こういったスタッフを育てるには、多くの時間と労力を掛けなければなりません。 女性スタッフは、「正しさ」より「好き嫌い」で物事を判断する傾向にあります。 女性スタッフから好かれる院長なのか、指摘や不満ばかりを口にしていないか、相手のことを知ろうとしているか、信頼関係の築くための努力を怠っていないか、今一度振り返ってみましょう。

特徴・セールスポイントの明確化

全国に約68,000軒ある歯医者の中で生き残るためには、医院の特徴やセールスポイントを明確化する必要があります。 そのために、まず周辺地域の歯科医院を市場調査すること(マーケティング)から始めます。 競合となる歯科医院の状況を、立地や診察時間、顧客層、得意技術や治療、設備、スタッフの充実といった項目でまとめましょう。 良い点と悪い点、両方を評価していくと、より分かりやすくなります。 次に自院の状況もまとめます。 スタッフ全員で意見を出し合いながら、同じ項目で良い点、悪い点を挙げていきます。 良い点から競合と差別化できる特徴・セールスポイントを見つけ出しましょう。 自院のアピールにも使えるだけでなく、スタッフ同士で周知しておくことで更に良い点をブラッシュアップできる効果があります。 反対に悪い点は、マイナスをまずゼロにできるよう対策を講じていきましょう。

顧客データの活用

自院に通う患者さんの顧客データを分析して、現状把握してみてください。 顧客の属性(学生、主婦、高齢者など)や治療内容、通院の時間帯や頻度、キャンセル率など、さまざまな視点で分析することで、自院の課題が見えてきます。 見つかった課題を改善できるだけでなく、前述の自院の特徴やセールスポイントにつながる要素を発見できることもあります。 顧客データを上手く活用していきましょう。

歯科医院のマネジメントをサポートするサービスを活用!

とはいえ、歯科医院のマネジメントは、日々の忙しい中で院長だけで対応するのはなかなか難しいものです。 その場合は、マネジメントのプロの力を借りることも一つの手段です。

歯科医院専門のコンサルタント

いくら歯科医師としての経験があったとしても、開業時に経営者としての経験は持っていない方も多いのではないでしょうか。 歯科医院の開業から経営までをサポートしてくれるのが、歯科医院専門のコンサルタントです。 コンサルタントは、経営に関して、会計からマーケティングまで幅広い観点でサポートしてくれます。 また、人材育成や採用、マネジメントについて気軽に相談できることは、長い医院経営において心強いです。 その分、優秀なコンサルタントに依頼する必要があるため、評判や実績を含めて選びましょう。

開業セミナー

コンサルタントをつける程でなければ、歯科開業医向けに行っているセミナーで知識やノウハウをインプットしましょう。 専属のコンサルタントに比べると、比較的安い金額で受けられるのが開業セミナーのメリットです。 (例)歯科医院 開業支援コンテンツ OneToOne Club

歯科経営のサポートサービス

歯科経営に関わる税務や会計、人事、労務、分院設立、設備、備品などをサポートしてくれるサービスを選んでもいいでしょう。 コンサルタントまでの予算を掛けなくとも、部分的にサポートをお願いできます。 自院で行うには時間や労力がかかる大変な部分を任せてみてはいかがでしょうか。

マネジメントに注力して課題解決を

歯科医院で起こる課題の多くは、マネジメント不足によるもの。 それは、一般企業と比べて歯科医院の人材環境が特殊なためです。 今回ご紹介したポイントを押さえてマネジメント力を改善することが、業績の改善にもつながるでしょう。 ぜひ取り組んでみてくださいね。

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