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しくじり先生の小児歯科 その45 どちらが信頼されているだろう?

しくじり先生の小児歯科 その45 どちらが信頼されているだろう?
しくじり先生の小児歯科 その45 どちらが信頼されているだろう?
麻酔時、刺入の瞬間に子どもが動き針が抜けた。
再度、麻酔をしようとすると嫌がってできない。
そこで、子どもの体を押さえると、恐がり泣き出してしまう。
読者は、どのような工夫をしているだろう?

まず細い麻酔針を使い、痛点の少ない歯冠乳頭を狙う。
そしてゆっくりと麻酔液を注入する。
さらに自身の体の力を抜き、麻酔を悟られないようにするなどが考えられる。

ここまでできると仮定し、写真を見ていただきたい。



これから麻酔をするとする。
さて、“術者が信頼されていない”のはどちらだろう

右は子どもの手がお腹の上にある。
しかし、左は胸の上だ。
胸の上の手は、“私に少しでも痛ければ、手で麻酔注射を振り払うわよ!”という意味である。
もし刺入時に、手で振り払われたら、注射針が眼や顔に刺さるかもしれぬ。
従って、左の方が信頼されていないことがわかる。

一度嫌がれば、二度と寝転んではくれない。
きっと、泣いて暴れてたいへんなケースになるだろう。
この写真は、これから大騒ぎになるか、簡単に治療を終えることができるかの分岐点なのだ。

そこでアシスタントの役割が重要となる。
刺入の前に、手をお腹に誘導し、軽く添えれば、この可能性は減るだろう。



この一瞬の動きがポイントだ。
手を抜いたために、後でたいへんな思いをするかもしれぬ。
あらかじめ予想される行動に、どれだけ先回りできるかが“泣きの予防”なのである。

続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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