第1乳臼歯と第2乳臼歯に隣接面カリエスがある。 まず麻酔をうち、ラバーダムを装着し、手を上げる練習もした。 これから形成を始めるとする。どの部位から形成を始めれば、痛みを与える確率が少ないだろう? 前回の第48話を参考に考えていただきたい。 https://d.dental-plaza.com/archives/26392 最も確率が低いのは、フリーエナメルだ。 従って、2(第2乳臼歯近心)か3(第1乳臼歯遠心)となる。
次にフリーエナメルを除去した後はどうだろう? 保持形態を作るため、咬合面を少し広げたい。 では次に削るのは、1(第2乳臼歯咬合面)と4(第1乳臼歯)のどちらが確率が低いだろう? 不用意に削り始めるより、麻酔の効きやすい歯を先にすれば有利である。 これは下顎第2小臼歯と第1大臼歯の形成を想定すれば良い。 第2小臼歯は、単根だから効きやすいはずだ。 また歯槽骨も薄いから、麻酔液も根尖に到達しやすい。 一方、第1大臼歯は、緻密骨であると同時に3根である。 効く確率が低下するのは当然である。 同じことが下顎乳臼歯でもいえる。 もし第2乳臼歯から始め痛みを与えると、すでに麻酔が効いている第1乳臼歯でも泣かれる可能性が高くなる。
一方、第1乳臼歯を先に形成している間に、第2乳臼歯も効く可能性がある。 従って筆者は、3→2→4→1の順に削るようにしている。 痛くない治療のためには、形成の順序も考慮する必要があることがわかる。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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