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しくじり先生の小児歯科  その52  乳歯の感染根管治療にはマニュアルはない

しくじり先生の小児歯科  その52  乳歯の感染根管治療にはマニュアルはない
しくじり先生の小児歯科  その52  乳歯の感染根管治療にはマニュアルはない

筆者は、泣きそうな小児が来院した場合、感染根管治療から始めることにしている。
なぜなら、無痛的操作が可能なためである。
その分、痛みを与える可能性が低い。
そこで今回から乳歯の感染根管治療について考えてみたい。

さて「小児は大人の小型ではない」という言葉がある。
これは「乳歯は永久歯の小型ではない」と言い換えることができる。

では永久歯と乳歯の根管治療の術式には、どんな違いがあるだろう?

1:永久歯はガタパーチャーポイントを用いるが、乳歯では糊剤根充が主となる。
2:乳歯歯髄の生活力は旺盛なので、生活歯髄切断法を用いることがある。
3:乳歯歯根の吸収状態を考慮にいれて根管治療を行う。
4:後継永久歯の形成不全・萌出障害・位置異常などが想定される場合は抜歯する。
などがある。
ところで乳歯の感染根管治療で、次の様な経験はないだろうか?


1:乳歯は、歯肉膿瘍や瘻孔ができやすい。
2:歯肉膿瘍が出来ているので、Jを貼薬し開放にしたけれど膿瘍が消失しない。
3:乳歯のレントゲンを撮ると、根分岐部まで及ぶ病巣がある。
4:根管治療の貼薬剤の交換をするため、仮封と綿栓を取っただけで出血した。
5:慢性で症状のない乳歯の根管拡大を行ったら、急性症状を呈し頬部まで腫脹した。
これらの理由から、乳歯感染根管治療の予後は悪いと感じてたことはないだろうか?

さて永久歯の根管処置では、根管拡大や根管長測定そして加圧根充など大半がマニュアル化されている。
しかし乳歯の根管治療は、成書でも術式について詳しく述べられていない。
その理由は、乳歯は年齢に応じ刻々と歯根の吸収が進む。
またその程度も個人差が大きくマニュアル化できない。
さらに歯髄に炎症があれば、すでに病的吸収が始まる。

従って乳歯の感染根管治療は、その特異性を熟知した上で行う必要がある。
そこで次回より、乳歯の根管と歯周組織の基本的な考え方について述べる。

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