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しくじり先生の小児歯科 その54 乳歯と永久歯の根尖周囲組織の比較

しくじり先生の小児歯科 その54 乳歯と永久歯の根尖周囲組織の比較
しくじり先生の小児歯科 その54 乳歯と永久歯の根尖周囲組織の比較
乳歯の根尖性歯周組織炎は、歯肉膿瘍や瘻孔が形成されやすい。


これは、臨床上よく経験することだ。
でもどうしてだろう?
それは、小児と成人における歯槽骨の差にある。


まず乳歯列は、歯槽骨が薄く多孔性である。
そのため、炎症は速やかに粘膜下に達し、膿瘍や瘻孔となる。

一方、永久歯列では、緻密骨で厚い。


炎症により生じた圧が、厚い骨を突き破るため、耐えがたき疼痛となる。
そこでリーマーで根尖部を穿孔させ、開放し減圧を計る。
しかし、根尖を刺激し過ぎると、打診痛が残りやすい。
これは根尖部は、血管が少なく代謝能が低いためである。



また乳歯では、初回から拡大すると急性症状を引き起こすことがある。
リマーやファイルで不用意に根管の汚物を根尖から押し出すためだ。

これは小児と成人の病気に対する、抵抗力と回復力を考えればわかりやすい。
一般に小児は、抵抗力が弱いため、風邪を引きやすいが、回復は比較的早い。
成人は、抵抗力が強く罹りにくい、しかし一度こじらすと治りにくい。


同じことが歯根周囲組織についてもいえるのだ。

この様に、根管治療においても、乳歯と永久歯の状態を考慮し行う必要がある。

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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