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しくじり先生の小児歯科 その54 乳臼歯にリーマーを挿入してみたら・・

しくじり先生の小児歯科 その54 乳臼歯にリーマーを挿入してみたら・・
しくじり先生の小児歯科 その54 乳臼歯にリーマーを挿入してみたら・・
永久歯では、根尖部に根尖孔が開く。
従って、デンタルX線写真に照らし合わせると、根管長や根尖部の位置が推定できる。
しかし、乳歯は交換期が近づくと歯根の吸収が始まる。
しかも、後継永久歯の萌出により、歯根の内側から始まる。
また、炎症により歯髄の内部吸収が起こりやすい。
そのため、デンタルX線写真の根尖と実際の根尖は一致しない。
乳歯の根管治療の難しさは、ここにある。

そこで乳臼歯の根尖と実際の根尖孔の位置の差について簡単な実験を行った。
まず7歳で抜歯された上顎第2乳臼歯の、根管口に15号のリーマーを挿入してみた。


MB根に挿入すると、根尖部からリーマーの先が出てきた。
次にMD根で試みた。
すると、根分岐部より歯根半分の部位から先が見える。

見やすくするために、根管内をビタペックスで根管充填を行った。
P根では、分岐部より歯根2/3の部分にビタペックスが確認できる。 

DB根では、1/3の部分に溢出した。


どうやら歯根の湾曲部より先はリーマーが入りにくいようだ。

続けて、7歳の下顎第2乳臼歯でも試みた。

M根の根充後、15号のリーマーを挿入した。


近心根に沿ってビタペックスが透けて見える。
後継永久歯の歯冠相当部の、乳歯歯根内側より吸収され始めることがわかる。

このことより、
①乳歯の臨床的根尖孔は、デンタルX線写真の根尖と一致しない。
②乳歯歯根の離開による湾曲部の手前に、臨床的根尖孔が存在する可能性がある。
ことがわかる。
これを踏まえ、根管拡大の際には、どのような注意が必要だろう?

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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