乳歯は、後継永久歯への交換や炎症により根が吸収される。 そのため正確な根管長を決めることが難しい。 従って、永久歯の様に完璧な根管拡大・根管充填は不可能に近い。そこで筆者が行っている、乳歯の根管治療の勘所を紹介する。 根管は太いため、#15の細いリマーやファイルから拡大する必要はない。 細いと根尖周囲組織をいたずらに刺激し出血する。 むしろ#30程度のものを利用し拡大する。
主として、ファイルでかきだすように行う。 そして感染歯質を除去し、健全象牙質がでる程度にとどめる。 乳歯の歯根は、後継永久歯に接する部分から吸収が始まる。 そこで、根管上部の外側壁の感染歯質を中心に除去する。 乳歯用のピーソーリーマーがあれば、根管上部の拡大にも利用できる。 根管口を広げると、根管充填も容易になる。 また必要に応じ、サフォライドRC(rootcanal用)を利用する。 これは、髄床底から根分岐部への側枝・複雑な根管内の殺菌・象牙細管の封鎖が期待できる。 髄床底に塗布後、光照射器で銀イオンの沈着を促進させる。
根管充填は、ヨード系のビタペックス・水酸化カルシウム系のものを使用している。 根管充填が不十分だと、膿瘍等が再発しやすい。 拡大した部分まで完全に根管充填したいものである。 そこで筆者は、ビタペックスでの充填後、レンツロを用いる。 レンツロは、短く切ったものを根管内に挿入し、 根管壁に当たった場所から1~2mm戻した場所で回転させる。 すると、ビタペックスが根管内に入ると同時にレンツロの破折を防ぐことができる。
また髄床底の死腔は病巣の原因となるため、ビタペックスで覆った層を作る。 さらに、より確実に根管充填を行うために、硬いセメントで圧接し薬剤を少し溢出させている。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
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人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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