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覆面調査に垣間見る、本当にあった怖い話!?

覆面調査に垣間見る、本当にあった怖い話!?
覆面調査に垣間見る、本当にあった怖い話!?
推理小説や探偵アニメに出てきそうな「ミステリーショッピング」。

サービスや店内環境の改善を目的として行われる調査で、一般人に扮して調査員がサービスを受け、その結果を依頼者にフィードバックする、いわゆる「覆面調査」。

例えば、飲食業の覆面調査では、味や提供スピードの他に、「従業員の対応は笑顔でハキハキとしていましたか?」、「お料理を提供するタイミングは適切でしたか」などの"観察調査"といわれるチェック項目があります。

その覆面調査を歯科医院で行ったらどうなるか…?

この観察調査の考え方を歯科医院に応用すると、提供者目線ではなかなか気づくことの出来ない、患者さんの視点に立った医院の現状を明らかにすることができます。

弊社で行った観察調査を振り返ると、多くの歯科医院で次のような"怖い"場面に遭遇します。

【本当にあった怖い話① 患者さん目線の観察調査】

□役割が不明な物品や掲出物の多さ・誰も見ないテレビなど □待合室からチェアへと向かう患者さんの動線で、目に入るバックヤードの乱れ □患者さんと目を合わせない受付スタッフの素っ気ないコミュニケーション □待合室で書く問診やアンケートの重複、邪魔にしかならない大量の配布物 これらの気付きをもとに、まずは時間とお金のかからないものから順に、優先順位をつけて具体的な対応策を検討、その改善を行う。 それが観察調査のあとの流れです。

【本当にあった怖い話② 土足とスリッパ問題】

院内を土足にするべきか、それともスリッパにするべきか。 この選択に悩まれた院長先生も多いのではないでしょうか。 フロアの汚れ方や靴の履き間違いのトラブルなど、様々な観点からの考察を加えて検討されたのではないかと思います。 しかし、きっとこれだと思って選択された結果も、観察調査を行ってみると、実は問題が生じていることもしばしばです。 院内をスリッパにしたある歯科医院は、玄関で靴を脱ぎ、棚に準備されたスリッパに履き替えるスタイル。 しかし、入口の扉を開けた瞬間、玄関には所狭しと靴が並び、足の踏み場に困る状態。 靴棚は誰も利用しておらず、靴を入れるべきかを悩む始末。 よくよく見ると、靴棚は高さのある靴は入りません。 受付も忙しいため、玄関に並んだ靴の整理には手が回らず、玄関では靴の大渋滞が発生。 靴からスリッパ、スリッパから靴への履き替えに苦労される高齢者の姿、他の患者さんの靴を踏まないように大股でフロアへ上がる姿、靴を履こうにも手が届かない姿も多く見られました。 玄関ひとつとっても、つぶさに観察すると、患者さんの様々な行動や想いを伺うことができます。 以上のような現状を、より詳細な調査結果として院長先生に報告した結果、直ちにスリッパではなく土足に変更することを決定されました。

【税負担の軽減もあわせて検討】

院内を土足にすると、床の汚れの目立ちや絨毯を張り替える出費が気になるところかと思います。 しかしながら、床に限らず、天井や壁においても、美装(現状維持・回復)のための定期的な費用であれば修繕費としての費用となり、少なからず税負担の軽減にも繋がります。 院内の土足化、それが患者さんの利便性を高め、さらには定期的な美装によって快適な院内環境を維持できるのであれば、多少のコストを伴ったとしても、それは正しい選択ではないでしょうか。 もちろん、賢い節税にも繋がります。 投資なくして利益なし。 そう考えれば、この土足化コストは"怖い"話のひとつではなく、必要経費のひとつとして、より良い歯科医院づくりの助けとなるでしょう。
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著者前田直樹

テントゥーワン税理士法人
代表社員税理士・中小企業診断士

当時26歳であった平成15年に独立開業、平成21年に税理士法人を設立。
歯科クリニックへの顧問税理士としての関与のみならず、業種や規模を問わず多くのクライアントに対して、税務・労務・法務そして経営の側面から、多面的かつ複層的なサービスを提供。歯科クリニックの業績や資金繰り改善の専門的コンサルティングに定評がある。

テントゥーワン税理士法人ホームページ:
http://www.1021.co.jp/
前田直樹

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