クリニカルコーディネーターとして働く礒田佳世さんに、クリニカルコーディネーターの心得と意義について語っていただく全4回のインタビュー記事。 <第2回>は、礒田さんがクリニカルコーディネーターとして特に気をつけていることについて伺いました。
※クリニカルコーディネーターの仕事の概要・役割についてはこちらの記事をご覧ください。 https://d.dental-plaza.com/archives/2914/
■初カウンセリングで気をつけること
第一印象の55%は視覚で決まるという「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。初対面の患者さんと一対一でお話をさせていただく初カウンセリングでは、一瞬で「この人の話なら聴こう」と心を開いていただく必要があります。だから私は常に口角を上げる「微笑み笑顔」を心がけ、姿勢や見た目の清潔感にも気を配っています。逆に私の方は、第一印象で患者さんがどういう方なのかを決めつけないようにしています。
■カウンセリング中の会話において気をつけること
カウンセリングで大切にしているのは、患者さんの言葉を聞くだけでなく、「想いを聴く」ことです。たとえば「ここを治してほしい」というご要望の深層には、「もっとキレイになりたい」という想いがある場合も。 「歯医者が怖い」という方には、過去にどんなご経験があったかを丁寧に伺い、不安を取り除くための説明をします。たくさんの「想い」を話していただくためには、患者さんのお話に共感することが大切です。
■クレームを受けるときに気をつけること
医院としてベストを尽くしていても、「予約が取りにくい」「先生にこんなことを言われた」などとクレームを受けてしまうこともあります。クレーム対応が苦手な方も多いと思いますが、患者さんの本音を聞けるので私は好きです。 昔はクレームを聞くと落ち込むこともありましたが、今は「自分は聞き役だ」と割り切り、どうしたら笑顔になってお帰りいただけるかということだけを考えるようにしています。他の医院に移ってしまうとしても、モヤモヤを抱えたままにならないように、すべて吐き出していただきたいのです。そのためにはとにかく謝ること。まずは不快にさせてしまったことを謝罪することで、ほとんどの患者さんは落ち着いてくださいます。お伝えすべき事情があれば、その後に伝えるようにしています。
■クレーム内容を伝えるときに気をつけること
クレームがあれば、ドクター変更となった場合でも、私は必ず本人に伝えるようにしています。夫婦という間柄でさえ、言葉にしないと気持ちは伝わりません。スタッフ同士ならなおさらです。だから何ごとも伝えること、話し合うことが大事だと考えています。ただ、クレームをそのまま伝えるのではなく、本人が傷つかないように柔らかく翻訳して伝えるのが私のポリシー。本人を否定するようなことは言わず、「改善した方がさらによくなるし、医院のためにもなると思う」という言葉を付け加え、気持ちよく聞いてもらえるように工夫しています。 いちき歯科に勤めて今年で19年になりますが、クレームを毎回真摯に受け止めて改善を重ねているからか、いろいろなことが少しずつ良くなっているように思います。
クリニカルコーディネーターの心得と意義<第1回>
「営業」ではなく「しあわせのセールス」である
クリニカルコーディネーターの心得と意義<第2回>
カウンセリング、クレーム対応時に気をつけること
クリニカルコーディネーターの心得と意義<第3回>
患者さんにとってのメリットとは
クリニカルコーディネーターの心得と意義<最終回>
クリニカルコーディネーター導入のヒント
いちき歯科 http://www.ichikishika.com/
礒田さんのホームページ「Happy Kayoのふんわり思好」
http://happykayo.com/ 研修のご依頼はこちらからお願いします。