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脱水と経口補水液 その1

2019/8/13 デンタル〇〇デザイン

8月に入り強い日差しの日が続いている。
東京では、最初の1週間で39人が熱中症により死亡したという。
学校のそばを通ると、部活動で真っ黒になった子ども達で溢れている。
さてこの季節、"脱水・熱中症の予防にスポーツドリンク"というCMが目につく。
予防のため、水筒にスポーツドリンクを入れて持たせる様に指示する学校もある。

しかし、これほど宣伝しているにも関わらず、ラベルを見ると"脱水"や"熱中症"の言葉はまったく書かれていない。

(図1)

どうしてだろう?
もし脱水に陥った時、これを積極的に飲ませて良いのだろうか?
一方で、スポーツドリンクのpHは3.5なので歯は容易に脱灰される。

(図2)

歯科医師の立場からは、推奨できる飲み物ではない。
でも"飲ませないと脱水に・・"と言われる。
医療従事者の一人として、この点を整理しておく必要がある。

さて多量の発汗により、体内から水分のみならずナトリウムなどの電解質も奪われる。
脱水とは、体から水分が失われるだけでなく、同時に電解質も失われることを指す。
そこで水を飲むと、小腸から吸収され、全身の血管を通じて細胞の周囲に行き渡る。
しかし、これは血漿などの"細胞外液"であり、細胞の中まで到達しない。
真水のみの補給では、細胞外液が増え低ナトリウム血症(水中毒)に陥り、全身倦怠・悪心・嘔吐などを引き起こす。
細胞に入るためには、ナトリウムが必要なのである。
そこで多量の汗をかいた場合は、水分やミネラルの補給が重要となる。

さて腸管の表面では、ナトリウムイオンとブドウ糖を同時に存在すると、水分が急速に吸収される。

(図3)

これを"ナトリウムイオン・ブドウ糖共輸送機構"と呼ぶ。
ブドウ糖の濃度が、1~2%の時に最も吸収されやすいとされる。
これ低くても高くても、その効率は低下するという。

(図4)

では、スポーツドリンクはどうだろう?