前回は、東上野歯科クリニックの村岡正弘院長に歯科医院スタッフを辞めさせない方法について伺いました。
院内イベントや勉強会、ランチミーティングでスタッフ同士や患者さんとコミュニケーションを取りながら、院内を活性化させているとのことでしたね。
▶︎現役歯科医師に学ぶ!歯科スタッフを辞めさせない組織づくり
人材に関する悩みと同じくらい多く挙げられる課題が、経営や集客に関する悩みです。
歯科医院や歯科医師の数がますます増えている今、他の医院と差別化して新規の患者さんを呼び込むことや、既存の患者さんとのコミュニケーションは欠かせません。
今回は、歯科医院における集客(集患)方法について、東上野歯科クリニックで取り組まれていることを聞いていきます。
歯科医院の集客(集患)において意識すべきこと
インタビュアー
「集患するにあたって、村岡先生が取り組まれている施策や注意点はありますか?」
村岡正弘院長
「“治療に来てください”と言って来院してもらうのは、やはり難しいです。
ですので、来院のハードルを下げるために、患者さんの趣味や関心を取っ掛かりとした気軽な声かけからきっかけを作るように意識しています。」
インタビュアー
「確かに、ストレートに伝えてもなかなか来院に繋げることは難しそうですよね。
具体的にはどのような事例がありましたか?」
村岡正弘院長
「例えば当院の場合、ゴルフやジムに行かれている患者さんが多いのですが、“スポーツ用のマウスピース作りませんか?”という風に提案すると来てくれます。
初めから“インプラントやりましょう。技術には自信がありますよ!”と伝えても、たとえ歯科医師の実力が優れていたとしても、患者さんには響かないと思うんですよね。
気軽に来院してもらったあとは、実際の診察で見つかった虫歯の治療に繋がったりもします。」
インタビュアー
「突破口を開くイメージですね。そういった点を意識することで集患効果は感じられていますか?」
村岡正弘院長
「はい。歯科医師の腕をアピールするとかではなく、施術するスタッフの実力などを伝えて、“衛生士さんが優しく治療してくれますよ”、“うちの衛生士さん上手ですよ”とか、そういう患者さんにとってイメージしやすい部分から伝えていった方が集患は多いと思います。」
▼東上野クリニックの皆さん
用事がなくても立ち寄ってもらえる医院づくり
村岡正弘院長
「あとは、継続して来院してもらうには、何も用事がなくても歯科医に来てもらえるような医院づくりはすごく意味があることだと考えています。
例えば、当院で開業当初から20年間ずっとメインの歯ブラシとして使用しているソニッケアーは、患者さんに気に入って使っていただけていて、歯ブラシを定期的に買いに来てもらえたりしているんですよね。」
▼ソニッケアー
インタビュアー
「東上野クリニックは、待合室も雰囲気がいいですよね。」
村岡正弘院長
「待合室で、マヌカハニーや歯磨き粉、マウスウォッシュ、ガムなどを販売しています。
あとは、歯科医院のエアフローの情報や治療の情報をビデオで常に流しています。ちなみに、このビデオは自作です!」
▼待合室で流れているビデオは村岡院長の自作
村岡正弘院長
「当院の待合室を、待ち合わせ場所として同じビルの方々が使ってくださってた時は、医院づくりを工夫していてよかったなと感じました。
コミュニティとして、公共スペースとして、医療機関が役立っていると思うと嬉しいですね。」
今後の歯科医療の展望
インタビュアー
「集患含め、経営していく中での今後の展望についてお聞かせ願えますか。」
村岡正弘院長
「前回のインタビューでも述べましたが、歯科医療は今、シックケアからヘルスケアへ大きく変わってきています。
再診率をあげることは集患ひいては経営において重要ですが、これまで補綴治療した患者さんを何度も治療するんじゃなくて、ケアだけで進められるようなスタイルが当院の目指してる方向性です。
また、もう一つ大きなテーマである人生100年時代であることを考えた場合に、患者さんに合わない義歯や見た目の悪い歯を入れて会話も出来ない、コミュニケーション取れない状態にするのではなく、100歳までにしっかり咀嚼して、しっかり会話ができて、ひるまずコミュニケーションできたり外に出られたりするような歯科治療をし続けていきたいなと思います。
歯科医師が独自に判断して、一人一人の患者さんに合わせた総合的な提案や治療ができるような歯科医療をやっていきたいな、そうなればいいなと考えています。」
インタビュアー
「ありがとうございました。」
まとめ
経営上の問題や病院内での問題など、歯科医院を運営するにあたって悩みを抱えている歯科医師は多いです。
集客・資金面で経営難に陥るケースもあれば、人材不足によって経営難に陥るケースも。
歯科医院経営を成功させるためには、歯科イベントの開催や予防歯科の強化、人材育成や院内の人間関係に気を配るなど、様々な施策が必要です。
今回の東上野歯科クリニックの事例を参考に、ぜひ自院に合った方法で歯科医院の活性化に取り組んでみてください。
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