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歯科医院の収益アップの戦略とは?マーケティング戦略策定の手順やポイントを解説

歯科医院の収益アップの戦略とは?マーケティング戦略策定の手順やポイントを解説
歯科医院の収益アップの戦略とは?マーケティング戦略策定の手順やポイントを解説
つぶれない歯科医院経営を行うために、収益アップは欠かせません。
収益を上げるためには、マーケティング戦略を策定・実行していく必要があります。
今回は、マーケティング戦略の策定手順やポイントについて解説します。

歯科医院におけるマーケティング戦略とは?

日本国内の歯科医院の数は、平成27年以降68,000軒を超えています。 これは、全国にあるコンビニの約55,000軒よりも多い数字です。 【参照】医療施設動態調査|厚生労働省 さらに、人口減少に伴って患者数は今後少なくなっていくでしょう。 限られた数の中で患者さんを獲得する厳しい競争環境においては、マーケティング戦略が必要不可欠です。 マーケティング戦略とは、市場・顧客を分析して、歯科医院で提供する商品・サービス(治療・接客など)をどのようにアプローチするかのプランを策定・実行するための戦略です。 マーケティング戦略の内容は、業界や規模、商品・サービスによって異なります。 「放っておいても口コミで患者さんが来る」「全国から患者さんが駆けつけるほど、特別な治療技術を持つ」といった歯科医院でない限り、マーケティング戦略を行わなければ、3年・5年先を生き残っていけないかもしれません。

歯科医院でマーケティング戦略を策定する目的

歯科医院でマーケティング戦略を行う目的について、いくつか解説します。

新規患者さんを獲得する

新しい患者さんの獲得を目指します。 集患のために、オンラインやオフラインのツールを活用しましょう。 オンラインでは、公式ホームページやサイト広告、SNS運用などがあります。 オフラインは、交通広告やビルボード、DM・ポスティングなどがあります。 来院してもらうために、まずは歯科医院の存在を知ってもらうことから始まります。 ツールごとで特徴が異なるため、効果的な集患ツールを選びましょう。 【参照】歯科医院の集患・増患に役立つツールは?新患やリピート患者を増やす方法・手段まとめ

既存患者さんの満足度を高める

満足度を高めることは、患者さんのリピートにつながります。 リピート率が低いと、いくら新規患者さんを増やしても1度の来院で終わってしまい、売り上げアップにつながりにくく、いつか頭打ちになってしまうでしょう。 満足度は、治療技術や接客、サポートといった要素で決まります。 「患者さんが何を求めているか」を捉え、満足してもらうための工夫をしていく必要があるでしょう。

自費率をアップし経営を安定させる

利益率は、保険診療よりも自費診療の方が高くなります。 自費診療の割合を増やすことで、利益率を高めて経営を安定させることが可能です。 ただし患者さんにとって、必要性の高い保険診療とは異なり、自費診療は最悪受けなくとも日常生活に差し支えありません。 そのため、患者さんに「自費診療を受けたい」と思ってもらえるマーケティング戦略を組んだ方が良いでしょう。

歯科医院のマーケティング戦略策定の手順

具体的なマーケティング戦略策定の手順を解説します。

自院や競合を分析する

マーケティングを行う上で大切なことは、自院の立ち位置を知ることです。 地域における歯科医院の立ち位置を明らかにすることで、適切なマーケティング戦略を行えます。 そのために、まずは自院と競合を分析しましょう。 分析に使う有名なフレームワークに例えば「4P分析」があります。 4P分析とは、「Product(商品・製品)」「Price(価格)」「Place(流通・立地)」「Promotion(広告・宣伝)」の4つの項目で分析を行う手法です。 ・Product(商品・製品) 治療技術や接客、設備などのことです。 ・Price(価格) 保険診療や自費診療の代金、売り上げの増減などです。 ・Place(流通・立地) 歯科医院の立地やアクセスの利便性などです。 ・Promotion(広告・宣伝) 広告・宣伝の予算や地域の認知率などです。 各項目で自院と競合を分析して、共通点や差異点を明らかにしましょう。 自己評価ではなく、客観的な評価を得るためにアンケートを実施することもおすすめします。 ほかの分析手法についても知りたい方は、下記をご参考ください。 【参考】歯科医院の差別化戦略をわかりやすく解説!必要な要素は競合分析と自社経営?

環境や患者を調査する

次に環境や患者を調査します。 まずは「診療圏調査」を行いましょう。 一次診療圏は、郊外の場合で半径500m、都心の場合で半径250mほど。 車でのアクセスは、約4kmまで広がります。 診療圏の住民の世帯数や家族構成、年齢層、生活導線(日常生活を過ごすためによく通る道や使う交通機関等)などについて調べましょう。 生活導線から外れている場所に歯科医院が位置している場合は、歯科医院の付近を通ることはないため、来院してもらうために工夫が必要です。 自院で診療圏調査を行うことが難しければ、調査会社に依頼しても構いません。 【関連】見込み集患数が分かる「診療圏」とは?歯科医院の開業における正しい活用方法を解説! さらに既存の患者さんについても、分析しておきましょう。 過去2年間の患者さんの居住地・勤め先を地図上にプロットしておくと、これまでで患者さんを獲得できているエリア/できていないエリアを見える化できます。 時間の経過に伴う増減をチェックしておくことも、おすすめします。

情報を元にマーケティング手法を活用する

ここまでで必要な材料を集めることができました。 現状を踏まえて、マーケティング戦略の具体的な実行プランを立てていきます。 実行プランは、目標設定からはじめます。 「年配層の新規患者を増やしたい」や「審美歯科の患者を増やしたい」といった目標を決めてから、実行プランを練りましょう。 実行プランを練るとは、次でお伝えする「経営理念」「医療デザイン」「診療メニュー」などのマーケティング戦略の各項目において、実施内容や期限、責任者などを具体的に決めることを指します。 決めるだけでなく、進捗確認をできるように実行プランを表でまとめておくとよいでしょう。

歯科医院のマーケティング戦略策定〜実行のポイント

領域ごとのマーケティング戦略の策定〜実行のポイントを解説します。

医療サービス

提供している医療サービスを分かりやすく患者さんに伝えましょう。 具体的には次の内容を通して伝えます。 ・経営理念 公式ホームページや院内の待合室、パンフレットなどで周知します。 ・医院デザイン 経営理念・診療方針を看板やインテリア、ポスターなどに反映させます。 たとえば、「信頼のおける医療」を掲げているのに、ポップ過ぎるインテリアは違和感を持たせてしまうでしょう。 ・診療メニュー 患者のニーズを押さえた診療メニューを提示します。 競合にはない診療メニューを打ち出すと差別化できるでしょう。 ・実績 これまでに治療した患者数、学会での表彰など、実績をアピールします。 信頼やブランディングにつなげることが可能です。

広告・プロモーション

オフラインでの看板とオンラインでのホームページは必須です。 歯科医院の看板は、吊り下げ看板や置き看板など、周囲から見えやすい種類を選びましょう。 交通量の多い交差点や駅近くの曲がり角などに設置します。 ホームページには、経営理念や診療科目、スタッフ、アクセスなど基本的な情報を記載します。 歯科にまつわるコラムなども書くと、SEO対策(検索エンジンでキーワードで検索した結果に上位表示させるための対策)にもなります。

設備

ビジュアルから入る情報も、満足度を高めるには大切です。 ・待合室 子ども向けのプレイルームや本棚を設置するなど、患者さんが落ち着ける空間にします。 ・診療室 プライバシー保護や飛沫感染の防止に配慮した空間にしておきましょう。 また、窓から空が見えると、開放感を持たせられます。 ・医療機器 患者さんは医療機器についてくわしくはありませんが、高度な医療機器を使っているだけで「説得力」につながります。 口腔内カメラや顕微鏡、レーザー機器などは視覚的にも説得力を持たせることができるでしょう。

価格

ビジネスにおいて、価格設定は重要です。 例えば、品質順に三段階の価格設定をしておく手法などがあります。 消費心理では、真ん中のサービスを選びやすいです。(松竹梅の竹コースを選ぶ人が多いなど) 自費診療では、特に売りたいサービスの価格帯を真ん中に置いておきましょう。

マーケティング戦略を策定・実行しよう

マーケティング戦略は、手順を踏んでロジカルに進めていくこととなります。 適切なマーケティング戦略を行うことができれば、集患・増患に悩むこともありません。 収益アップを目指して、マーケティング戦略に取り組んでみてください。

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