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コロナで歯科医院のテナント賃料・家賃滞納…対応方法や支援給付金を紹介

コロナで歯科医院のテナント賃料・家賃滞納…対応方法や支援給付金を紹介
コロナで歯科医院のテナント賃料・家賃滞納…対応方法や支援給付金を紹介
新型コロナウィルスの影響によって、営業を停止するなどし、売上が大幅に減ってしまったという歯科医師の方は多いのではないでしょうか。
また、それに伴い歯科医院のテナント賃料・家賃の支払いが難しくなってしまい、賃料の減額などを希望する場合もあるでしょう。

この記事では、テナント賃料や家賃に関して、支払猶予や減額交渉の可否やそれらを行う際の対応、利用できる給付金制度などについて解説しています。
賃料の支払いなどに悩んでいる歯科医師の方はぜひ参考にしてみてください。

コロナ禍の歯科医院のテナント賃料・家賃の滞納について

昨今の新型コロナウイルス感染拡大を受けて営業を停止した結果、テナント賃料や家賃の支払いが難しくなってしまった場合、賃料の猶予や減額の交渉などを行うことが可能です。

賃料の支払い猶予や減額の交渉

家賃の支払いが難しい場合、貸主に対して賃料の支払い猶予や減額を求めることができます。 また、新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言解除後のタイミングでも、営業自粛をしていた期間の賃料の減額請求が可能です。 そのほかにも、歯科医院のある周辺地域の家賃相場が下がるようであれば、それに伴い賃料の減額請求をすることもできます。 いずれにしても賃料の減額や支払い猶予を求めて貸主と交渉することはできるため、まずは相談をしてみるのがいいでしょう。 また、分割払いにしてもらうなど、支払い方法の変更の提案も1つの方法です。 ちなみに、減額できる金額は具体的に定められていません。 そのため、当事者同士の話し合い次第で大幅な減額も不可能ではありません。 一方で、もし話し合いをしてもまとまらないようであれば民事調停、それでもまとまらない場合は裁判となります。

政府による柔軟な措置の検討・実施要請

賃料の支払いに関しては、政府でも柔軟な対応をするように関連団体に求めています。 例えば国土交通省では、不動産関連の団体を通して賃料の支払いが難しくなっているテナントに対し、支払い猶予に応じるなどの措置を実施するように要請しています。 具体的には、以下のような団体に要請が行われました。 ・(一社)不動産協会 ・(一社)全国住宅産業協会 ・(一社)不動産流通経営協会 ・(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 ・(公社)全日本不動産協会 ・(一社)日本ビルヂング協会連合会

歯科医院のテナント賃料・家賃滞納発生に関連する対応

次に、実際に歯科医院のテナント賃料の支払いに対して何かしらの対応をする場合のポイントを、ケース別に解説します。

賃料削減を行う場合

賃料の削減要請は、借地借家法によって認められている賃借人の権利です。 ただし、交渉する場合には、歯科医院特有の事情に注意する必要があります。 例えば、歯科医院によって、借主の名義が院長の個人名義の場合もあれば、医療法人名義の場合もあります。 個人名義か医療法人名義かどうかは、賃料の交渉をする際には影響する部分であるため、注意が必要です。 法人と個人だと社会的な信用度に違いがあり、一般的に個人名義の方が社会的信用が低くなるとされています。 そのため、交渉を行う際は、個人名義の方が法人名義に比べて交渉が難しくなると考えられます。 また、歯科医院は地域に根ざしたビジネス展開をしているケースが多いため、貸主が歯科医院の利用者である可能性もあります。 また、院長と貸主が知り合いでよく顔をあわせるケースもあるでしょう。 そのような場合は人間関係を壊してしまわないように注意が必要です。

立ち退きを求められた場合

賃料の支払いができず、支払猶予や賃料の減額交渉にも失敗した場合、貸主から立ち退きを求められる可能性があります。 このような場合、基本的には立ち退き料を受け取ることができます。 立ち退き料の具体的な金額や基準は設けられていないため、貸主と交渉することになります。 歯科医院の場合は、歯科医院の開設だけで多額の費用が必要になるため、立ち退き料も高額になる傾向があるとされています。

歯科医院における『家賃支援給付金』

『家賃支援給付金』とは、新型コロナウィルスの影響によって賃料などの支払いが難しくなっている事業者が利用できる給付金のことです。 法人であれば最大で600万円、個人の場合は最大で300万円が支給されます。

給付金の条件

給付金を受給するためには、医療法人を含めて以下の条件に当てはまる必要があります。 ・法人の場合、2020年4月1日時点で、以下①②のどちらかを満たしていること ①資本金もしくは出資の総額が10億円未満 ②①がない場合、常時使用する従業員数が2000人以下 ・2019年12月31日よりも前から事業収入(売上)を得ており、事業を継続する意思があること ・2020年5月~12月の売上高が、新型コロナウイルス感染症の影響で以下のいずれかにが該当する状態であること ①1ヶ月で前年同月比50%以上減少 ②3ヶ月連続の合計で前年同期比30%以上減少 ・他の人の土地・建物を事業のために占有し、賃料を支払っていること 家賃支援給付金を受給するための大きなポイントとしては、売上の減少が挙げられます。 1ヶ月で50%減、3ヶ月連続した合計で30%減というのは決して小さい額ではないため、かなり切羽詰まった状況でなければ申請はできないと考えておきましょう。 【参考】家賃支援給付金 - 中小企業庁

給付金の申請方法・手順

給付金の申請期間は2020年7月14日〜2021年1月15日までとなっており、家賃支援給付金のWebサイトから電子申請を行います。 郵送による申請はできないため、必ずインターネットを利用して申請することになる点に注意しましょう。 申請の流れは以下の通りです。 1:手続きをするためのログイン用IDとパスワードを取得する 2:マイページにログインして必要な情報を入力し、案内に沿って必要な書類を添付して申請する 3:家賃支援給付金事務局で申請内容のチェックが行われる 4:給付が決定したら、給付通知書の発送と登録の口座への振込が行われる ログイン用IDとパスワードの取得に関しては、家賃支援給付金サイトでメールアドレス等の情報を入力すると届くURLが記載されたメールをクリックし、手続きを行うことになります。 また、家賃支援給付金事務局による申請内容のチェックの結果、間違いや不備があった場合は、届いたメールの内容に沿って修正対応をする必要があります。

まとめ

今回は、新型コロナウィルスの影響によってテナントの賃料や家賃の支払いが難しくなった場合の対応方法について解説しました。 賃料の支払いが難しい場合、賃料の減額や支払い猶予を貸主と交渉することが可能です。 これは借主の権利であり、貸主側も理解しているものであるため、安心して行いましょう。 ただし、交渉を行う場合は歯科医院特有の事情を考慮する必要がある点には注意が必要です。 また、条件こそありますが、家賃支援給付金のような支援策も用意されています。 こちらもぜひ利用を検討してみてください。

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