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歯科医院の賞与・ボーナスの決め方や支給時期、
平均金額や目的を解説!

2020/10/19 歯科医院経営

歯科医院経営でスタッフのモチベーションアップに大切なのが、賞与・ボーナスです。
「スタッフに満足してもらえる決め方はあるのか」「経営に負担のない算出方法はあるのか」「職種別の平均金額はいくらか」など、疑問をお持ちの方向けに解説します。

今回は、賞与・ボーナスの決め方や支給時期、平均金額や目的についてご紹介します。

歯科医院の賞与・ボーナスの決め方

「医院の業績」および「各スタッフの評価」から決定するケースが多いです。 ▼一般的な賞与・ボーナス 賞与 = 基本給(役職手当てを含む) × 平均支給月数 × 評価係数 各項目について、それぞれ解説します。  

平均支給月数

平均支給月数は医院の業績に基づいており、年間で給与の2〜3ヶ月分を変動して支給している歯科医院が多いです。 ただし、スタッフ募集時に賞与・ボーナスの基準(年2回2ヶ月など)を明示している場合は、それに基づきます。 業績による変化は、スタッフが納得できるよう基準を設けましょう。 判断の基準となる月を決めておき、当年の収益によって「平均支給月数」を決めることが望ましいです。 たとえば、年2回の賞与・ボーナスであれば、基準月を夏:10月〜3月、冬:4月〜9月とし、期間中の業績を目標比もしくは前年比との増減に基づいて算出します。  

評価係数

「評価係数」は、人事評価から算出した値です。 歯科医院で使用する評価シートを職種ごとに用意しておきましょう。 評価項目は、業務内容を正しく評価するものを設定し、担当者は公平な評価を下してください。 偏りのある評価は、スタッフの不満を招く可能性があるため、注意が必要です。  

賞与・ボーナスの算出例

次の状況での算出例をご紹介します。 ・平均支給月数:夏1ヶ月、冬1ヶ月 ・医業収入:前期2,000万、当期2,200万、成長率110% ・基本給:20万円(給与18万円、役職手当て2万円) ・評価係数:80点(掛け率1.2) 賞与 = 20万円 × (1ヶ月 × 110%) × 1.2 = 264,000円  

その他の賞与算出方法

一般的な方法の他に、「人件費率」から賞与・ボーナスを決める方式もあります。 これは、前年度の決算数値を基に人件費率を決め、その予算内で昇給や賞与・ボーナスを算出する方式です。 賞与・ボーナスの予算 = 今年の売上 × 今年の目標人件費率 - (給与総額 × 月数) 人件費率 = 前年度の人件費 ÷ 前年度の売上 目標人件費率は、業績にもよりますが、前年と同様もしくはそれ以上の比率に設定します(規模拡大に伴い、間接人件費が増えるため)。 例として、以下条件で具体的に夏期の賞与を算出してみましょう。 ・今年の売上(1~6月):4,000万円 ・毎月の給与総額:100万円 ・前年度の売上:6,000万円 ・前年度の人件費:1,200万円 上記から、人件費率は20%であることが算出されます。 前年の売上に基づき、今年の目標人件費率を同じ20%に設定しました。 夏期の賞与・ボーナスの予算 = 4,000万円 × 20% - (100万円 × 6ヶ月) = 200万円 と算出されます。 夏期と冬期でバランスを取って、夏を少なめ、冬を多めにといった調整も可能です。 この予算をスタッフ数で割って、統一された額の賞与・ボーナスを渡すか、スタッフの評価を基に振り分けるかは、歯科医院の状況に応じて決めて良いでしょう。

歯科医院での賞与・ボーナスの時期

一般企業における賞与は、年2回で6月と12月に支給されることが多いです。 年3回設けている場合は、6月・10月・2月といった時期が一般的でしょう。 新たに雇用したスタッフに対してはじめて賞与を支給するタイミングは、基準となる月数を勤務した後です。 例えば、6月・12月に賞与の支給がある歯科医院の場合、基準となる月数は6ヶ月。 ですので、4月入社したスタッフは入社直後の6月ではなく、半年以上働いた12月の支給となります。 歯科医院によっては、研修期間を除いた月数や、勤務1年後の時期に支給を開始するケースもあります。 支給のタイミングが先になる場合は、スタッフの生活費にも関わるため、募集時に伝えておくと親切でしょう。

歯科医院の賞与・ボーナスの平均金額

厚生労働省の「令和元年 医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」の「職種別常勤職員1人平均給料年(度)額等(p271~273)」を参照し、歯科医院スタッフの職種ごとのボーナスについてご紹介します。 ※以下「-」表記は該当データ無し  

歯科医師のボーナス

 

歯科衛生士のボーナス

 

歯科技工士のボーナス

歯科医院の賞与・ボーナスの支給目的

単に賞与・ボーナスを支給するだけでなく、その意義を歯科医院経営に活かすことが大切です。 最後に、賞与の支給目的を解説します。  

スタッフのモチベーション向上

賞与・ボーナスが歯科医院の業績や個人の評価に左右されることをスタッフに理解してもらうことで、モチベーションの向上につなげます。 業績の成長率でどのくらい賞与・ボーナスが変化するのかを伝え、歯科医院長と同じ目線で経営に興味を持ってもらうことが重要です。 その意識が芽生えると、日々の患者さんへの接客の質や、営業の方法も変化していくはずです。 一方で、景気の悪化により業績が低迷し、賞与・ボーナスの支払いが減額となると、モチベーションダウンにもつながるため注意が必要です。 また、スタッフ間で生じる個人評価の差は、競争心を刺激します。 特に同期スタッフ間での差は、「負けていられない!」とモチベーションを高めてくれるでしょう。  

人件費の調整

賞与・ボーナスがない歯科医院の場合、代わりに基本給が高く設定されていることが多いです。 そのため、人件費は基本的に固定され、業績にかかわらず、定額を支払うこととなります。 賞与・ボーナスがある場合、業績に応じて人件費を調整することができます。 経営上、人件費のバランスを取りやすくなるでしょう。

歯科医院でも適切な賞与・ボーナスを

賞与・ボーナスは、スタッフのモチベーション向上と安定経営のバランスを取りながら、うまく采配する必要があります。 今回お伝えした賞与・ボーナスの算出方式を参考に、歯科医院の状況に合わせた方式を選んでみてはいかがでしょうか。