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歯科衛生士を採用する効果的な方法とは?
採用難の現状と求人のコツを紹介

2019/11/11 歯科医院経営

国家資格である『歯科衛生士免許』を持っていながらも、離職する人が多い職種、歯科衛生士。
公益社団法人 日本歯科衛生士会による「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」の結果からもわかる事実です。


専門学校や短期大学、大学を卒業し歯科医院に就職した場合でも、人間関係や職場環境・給与・仕事内容への不満、結婚・出産・育児といったライフステージの変化、キャリアアップなどの理由から、離職・転職する人が多いです。
そのため、「求人広告を打っても募集が集まらない」「なかなか良い人材に巡り合えない」といった採用課題を抱える歯科医院経営者は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、歯科衛生士採用の方法やコツを解説します。

歯科衛生士の採用の難しさ

一人でも多くの歯科衛生士に長く働き続けてもらうためには、離職する原因を把握しておく必要があります。 ここでは、歯科衛生士の離職率が高い原因を踏まえながら採用が難しいとされる理由について確認していきましょう。

退職・転職の多さ

【引用】歯科衛生士の勤務実態調査報告書 - 公益社団法人 日本歯科衛生士会 歯科衛生士の離職率が高いといわれる代表的な理由として、『結婚・出産・育児』が挙げられます。 事実、「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」が行った調査では、転職経験のある歯科衛生士のうち、全体の13.7%が主な退職理由として『出産・育児』を挙げています。 このほか、『結婚(12.0%)』『家庭の事情(6.6%)』などが挙げられていることから、ライフステージの変化によって後の働き方に大きく影響していることがわかります。 また、『職場の人間関係(10.5%)』『仕事内容のレベルアップのため(9.0%)』『仕事内容への不満(6.4%)』『給与・待遇の面(5.4%)』と、職場環境や仕事の状況に対する不満も離職の原因となっています。

産休・育休後のキャリア形成の難しさ

待機児童が問題視されている昨今、復職にあたり「子どもが急病のときに対応できるかどうか」「育休前に積み上げたキャリアやポジションを維持できるのか」など、多くの女性はさまざまな不安を抱えています。 能力の高い歯科衛生士が出産や育児後も同じ職場で働き続られるよう、育児休暇だけではなく、時短勤務対応、eラーニングでのスキルアップ研修といったサポート体制を万全にしておくことが重要です。

採用競争の激しさ

離職率の高い歯科業界では、多くの医院が採用課題を抱えています。 歯科医院では、以下のようなさまざまな対策を行っています。 ・診療開始時間を遅くする ・休日日数を増やす ・残業は基本的になし ・外部セミナー&講習会全額補助 同じ採用施策を打つ歯科医院が増える分、競争が激しくなりコストがかさむばかりで、なかなか採用に結びつかないケースもあるでしょう。

入社前後のギャップ

「思っていた業務と違う」「なかなか治療に携わらせてもらえない」といった、入社前と入社後のギャップを埋められずに退職する歯科衛生士も多くいます。 自分と同じ歯科医院に就職した学生時代の友人の方が先に進んでいた場合、現状に不安や焦り感じ、働くモチベーションが低下する可能性があります。

歯科衛生士の求人・採用方法

歯科衛生士の採用競争が激しくなっている昨今、優秀な歯科衛生士を確保するためには、どの求人媒体に情報を掲載するのかが重要です。 そのため、「いつまでに・何名・どんな歯科衛生士を採用するか」といった目標をきちんと決めてから、求人媒体を選びましょう。 また、抽象的な表現は控え、仕事内容や求める人材、歯科医院のポリシーなど盛り込む内容は出来るだけ具体的に、誰が読んでも同一理解ができる表現を用いてください。 以下、代表的な求人媒体・方法を紹介します。

求人広告

求人広告の主な種類は、『Web』『紙媒体』の2つが挙げられます。 地域や実務経験、スキル、雇用形態(正社員orアルバイト)など、情報を細かく設定することができるため、条件にマッチした即戦力となる人材を探すことが可能です。 広告費用は媒体や期間によっても異なることから一概にはいえませんが、大手の場合は1週間の掲載で最大20万円ほどのコストがかかります。

ハローワーク

医院がある地域のハローワーク(公共職業安定所)を利用することもひとつの手段です。 仕事内容や雇用形態、年齢、雇用期間、賞与や昇給の有無などを求人申込書に記載し、ハローワークに届け出ることで求人募集がスタートします(申込書はハローワークのホームページからダウンロードできます)。 仕事内容や会社の特徴などはわかりやすく書き、求職者が実際に働いている自分の姿をイメージできるようにしましょう。

ホームページ

自社のホームページにも採用欄を設け、求人を募集しましょう。 掲載する求人情報の作成時には、歯科衛生士からの意見を盛り込むと良いです。 実際に現場で働く歯科衛生士から意見をもらうことで、求職者のニーズに即した魅力的な情報を伝えることができます。

リファラル採用(既存スタッフの紹介・推薦)

近年注目されているリファラル採用とは、すでに働いている社員・スタッフからの紹介や推薦による採用手法です。 働いてくれている歯科衛生士の友人や後輩には、新卒採用を希望する人材がいる可能性が非常に高いです。 リファラル採用は、同じ考え方や価値観の人材を採用できる可能性が高く、ミスマッチが起きにくい点がメリットです。

良い歯科衛生士を採用するコツ

高い広告費用をかけて求人募集をかけたとしても、採用につながらない、または採用してもすぐに離職してしまうようでは意味がありません。 そこで重要となるのが、他の医院が求人広告に掲載していないプラスαの情報や自社で働く魅力をアピールすることです。

職場環境の整備

求職者を迎え入れるにあたり、入社前後で食い違いが起きないよう、仕事内容や勤務地、休日休暇、勤務時間、給与、応募資格などの雇用条件を明確化し、既存スタッフの意見も伺いつつ整備しましょう。 また、職場の教育体制やマニュアルも整備しておく必要があります。 例えば中途採用の場合は、実務経験が豊富で高いスキルを持った人が多いため、「今までとやり方が違う」といった不満が生じることも。 何か質問されたときにロジカルに答えられるよう、医院のマニュアルを作成しておきましょう。 「なんとなく」「いつもこうやっているから」といった返答は、相手に不信感を与え不満を持たせる原因となります。

成長できる職場作り

歯科医院が採用活動を行ううえで重要となるのが、福利厚生の項目です。 交通費全額支給や研修の有無、雇用保険といった基本項目はもちろん、セミナー費用補助などスキルアップに関するサポート体制は勤務先選びのポイントとなります。 意欲的な歯科衛生士を採用したいのであれば、外部セミナーの支援補助など、成長できる職場づくりを意識することをおすすめします。

面接時のギャップ解消

歯科衛生士の中には、過酷な条件での労働を強いられている人も多くいます。 求職者との相違が生じないよう、求人情報にはできる限り細かい情報を載せましょう。 「募集要項よりも低い給与を提示された」「有給休暇はあると書いてあったけど人員不足で取得できない」といった、求職者とのミスマッチを未然に防ぐことでスタッフの定職率がアップします。 また、先輩スタッフをモデルロールとして紹介し、採用段階で質問できるような状態を作ることも効果的です。 近年は晩婚化が進んでいるものの、資格を保有しながらも復職できずに悩む歯科衛生士は多くいます。 そのため、例えば結婚・出産を控えている求職者には、育児休暇制度を実際に利用した経験を持つスタッフを紹介すると、ワークライフバランスを充実させながら働くイメージが湧きやすくなるでしょう。

求職者のニーズに合わせたアプローチ

経験豊富な優れた人材を確保するために重要となるのが、求職者のニーズに合わせて自社の魅力をアピールすることです。 例えば、給与を重要視している求職者に休日日数の多さをアピールしても魅力を感じてもらうことはできません。 なぜなら、このような人物の場合はライフワークバランスよりも高収入を得られる企業を探しているからです。 面接では、仕事内容の充実度や医院が大切にしているカルチャーなど一方的に説明するのではなく、求職者の希望を引き出しながら自社のアピールをするようにしましょう。 お互いの認識をすり合わせる場であることを意識して、コミュニケーションを取ってください。

まとめ

離職・転職率の高さや採用競争の厳しさなどから、歯科衛生士の採用は決して簡単なものとは言えません。 しかしながら、求人の出し方や採用での過程の工夫、環境の整備などを行うことで、自院を差別化し、良い人材を集めることが可能です。 採用に力を入れると同時に、今働いている歯科スタッフも気持ちよく働けるような職場づくりを心がけましょう。