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■法人とのお金の貸し借り…
思わぬトラブルと解決法!

2018/6/29 歯科医院経営

ダイエットは"明日"から。
そんなフレーズを口にした、あるいは耳にしたことはありませんか。
責任感からか、他人との約束は守れても、自分自身との約束はつい曖昧に…ということも。

実は医療法人の経営においても、自分ごとのような錯覚から、思わず曖昧に済ませがちなものがあります。
それは、医療法人と、医療法人の理事長である院長先生との、お金の貸し借りです。

今回は、曖昧なお金の管理が引き起こすトラブルや、その解決法をご紹介します。

【まずは貸し借りの状況をチェック】

医療法人の理事長である院長先生が、医療法人に貸与したお金、借用したお金はありますか。 「どうだったかな…」と感じたら、決算書または試算表のうち貸借対照表と、その内訳書または補助明細のご確認を。 その金額はおいくらでしょうか。 なかには、院長先生がご認識のない借入金や貸付金が、医療法人の決算書などに計上されている・・・なんてことも。 個人事業から医療法人化をするとき、つまり個人から法人に資産や負債を引き継ぐとき、このような貸借関係が生じるケースは少なくありません。 そう、問題は「これをそのままにしておいてよいのか」です。

【法人が院長先生から借りたお金】

院長先生個人が医療法人に貸し付けたお金。 これは、院長先生の個人財産です。 院長先生に万一のことがあれば、これは院長先生の遺産、つまり相続財産となります。 そうなると… □その貸付金にも相続税が課税されるが、相続人はそれを払うことができるのか □その貸付金の相続権をめぐり、これが火種となって、相続争いに発展しないか 医療法人が、院長先生から借り入れたお金の全額をただちに返済できても、返済できなくても問題が発生します。 ただちに返済できる場合、価値ある遺産として相続争いが気になります。 他方、ただちに返済できない場合、その相続人は貸付金にかかる相続税をどうやって支払うのか…。

【法人が院長先生へと貸したお金】

他方、院長先生個人が医療法人から借り入れたお金。 これは院長先生の負債です。 院長先生に万一のことがあれば、だれが、このマイナスの財産(債務)を相続するのかが課題となります。 しかし、それだけではなく、相続を除く問題として、そもそも次のような問題も心配です。 □医療法人は配当とみなされる行為ができない(例:役員等への貸付など、医療法第54条) □金融機関からの融資で不利に働く(金融機関の立場からは資金使途の違反) そもそも、医療法人が院長先生個人にお金を貸していること自体、医療法における問題あり、です。 さらに、医療法人に対してお金を貸している金融機関は、医療法人に対して融資したのであって、院長先生個人に融資をしたわけではありません。 よって、資金の使い途の違反となる問題も…。

【基本は計画をもって解消すること】

個人と法人の貸借関係をどのように解消すればよいのでしょうか。 基本は、返済計画または回収計画を立て、それに見合う役員報酬を検討することから始まります。 例えば次のように。 □医療法人が院長先生個人に貸付→役員報酬を増額→増額相応を、個人から法人に返済 □院長先生個人が医療法人に貸付→役員報酬を減額→減額相応を、法人から個人に返済 とはいえ、なかなか貸借関係がスッキリするまでには時間がかかることも多いのではないでしょうか。 だからといって、そのままで良い、というわけにはいかないかと思いますが。 決算書のうち貸借対照表は、決算日の一時点(一日)における資産や負債の状況を示しています。 医療法人からみた、院長先生個人への貸付金があれば、少なくとも決算日だけでも、院長先生個人から医療法人に貸付金相応の入金を行われてはいかがでしょうか。 これで、貸借対照表の貸付金は減少または消滅します。 決算日を経過した直後にあらためて、医療法人から院長先生個人へと、出金がされることになるかもしれませんが…。 根本的な解決策ではなく、一時的な対応策に終始しますが、状況に応じてご検討ください。 経営における曖昧部分はすっきりとダイエットをさせて、健康的な会社運営を行っていきましょう。
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