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歯科医院経営の実態とは?
実際のデータや実態を解説

2019/11/21 歯科医院経営

歯科医院の経営に関する調査は、医療分野を管理している厚生労働省が実施しています。
全国で増え続けている歯科医院は街のいたるところにあり、潜在的な患者さんを含めての奪い合いです。

この記事では、歯科医院や歯科医師に関するデータを紹介し、歯科医院の実態・現状についてチェックしていきます。

歯科医院経営の実態をまとめて紹介

歯科医院経営に関して、「歯科医院数」「倒産率」「売り上げ」「歯科医師の年収」という4つの項目で調査結果が出ています。 順番に確認していきましょう。

全国の歯科医院数

全国の歯科医院数は、平成30年10月の時点で約68,600件です。 上記は厚生労働省の医療施設動態調査(平成30年10月末概数)からの数字で、全国のコンビニ店舗数(※)を上回る数です。 ※コンビニ店舗数は2019年9月時点で55,711件 【参考】コンビニエンスストア統計調査月報 - 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会 歯科医院は人が多いエリアに開業される傾向にあり、特に主要駅の周辺では複数の歯科医院が近接しているケースもあります。 同業者ですら驚くほどの密集ぶりのため、患者さんとしても色々な先生を渡り歩く事例が多いです。 現状では明らかな過当競争になっており、大部分のエリアで住人の数から予想できる患者さんの来院数が安定経営のラインに達していません。 結果的に、保険外の自費診療を導入する歯科医院が増加中です。 患者さんの数を増やせないため、人材やコスト削減で糊口をしのぐ歯科医院も出てきています。

歯科医院の倒産率

残念ながら、歯科医院の倒産率は増加の一途をたどっています。 帝国データバンクが発表している医療機関の倒産動向調査(2018年)によると、2018年の歯科医院の倒産は23件です。 2018年の医療機関の倒産合計40件のうち、約50%が歯科医院となっており、過去最多記録を更新しました。 【引用】医療機関の倒産動向調査(2018年) - 帝国データバンク 上記のグラフから、毎年5件を超える歯科医院が倒産していることがわかります。 歯科医院の約80%が個人経営であるため、調査から漏れている分を含めれば倒産数の実態はさらに増える可能性が高いです。 歯科業界を調査している機関や有識者の見解では、「今後も過当競争が続く」という意見でおおむね一致しています。 抜本的な経営の見直しにより病院の倒産数が横ばいである一方で、歯科医院は年々増えており、限られた患者さんの奪い合いが起きてしまっている状況です。 少子高齢化で日本の人口が減少する中、潜在的な患者さんの数を考慮したとしても、厳しい状況が待っていると言えるでしょう。

歯科医院の売り上げ

【引用】医療経済実態調査(2017年)-第21回医療経済実態調査医療機関等調査 p.28 厚生労働省が発表したデータによると、2017年における歯科医院の売り上げ伸び率にマイナス表示が多く、苦境に立たされていることが分かります。 個人の歯科医院の減少率が目立っており、保険診療の収益も大きな増加は望めません。 この集計結果は、個人経営と法人経営、全ての歯科医院の大まかな傾向を示しています。 そのため、患者さんを確保できずに苦しんでいる末端の歯科医院と、確固たるポジションを築いている歯科医院の格差も考慮する必要があります。 売り上げが頭打ちになっているにもかかわらず、最新設備の導入やスタッフへの高度な教育など、歯科医院の負担が増えているのも事実です。 それぞれの歯科医院が各種費用(主に適切な人件費と設備投資費など)を削減することで、かろうじて対応しているのが実情です。

歯科医師の年収

政府統計のポータルサイト、e-Statに掲載されている情報によると、歯科医師の年収はおおよそ700万円です。 現状、日本の歯科治療は保険診療の割合が高いため、今後の保険制度の改革で自費診療が中心になった場合には、また事情が変わる可能性があります。 特に歯科医師の年収については、個人差が大きな項目となっています。 勤務医の場合は、男女の収入格差が少なく、基本給と治療した患者さんの数に応じた歩合給で年収600万円が相場です。 独立開業した歯科医師の上位層が年収1,000万円台となっているのに対して、大半の勤務医はそこまで到達できないことが多いです。

歯科医院経営の実態①地域によっては歯科医院が多すぎる

マーケティングの結果、開業して十分に利益が見込めると判断されるエリアで開業したいと考えるのは、どの歯科医師にとっても同じです。 したがって、例えば人口密度が高い地域には、異常なまでに歯科医院が乱立し、過当競争の主な原因となります。 反対に、過疎地域では競争相手が少ないものの、若者を中心に住民が減っていることで先細りです。 そもそも見込み客数が頭打ちであるため、長く経営し続けることは難しいでしょう。 また、すでに地域の顔になっている歯科医院がある場合は、来たばかりの新参者として何かと比べられることも覚悟しておく必要があります。 あえて車で訪ねやすい郊外に構えて、快適さなどで勝負する方法を検討してみるのも良いかもしれません。

歯科医院経営の実態②新規患者を獲得し続けないと経営は厳しい

歯科医院の経営を継続させるためには、新規の患者さんを獲得していくことが必要不可欠です。 近隣の方だけでなく、遠方からでも評判を聞きつけて定期的に通院してくれる方も見込み客として意識する必要があります。 広く患者さんを集めるには、WEBでの情報発信が大切です。 インターネットは24時間いつでも稼働している媒体で、ユーザーが能動的に調べる場であるだけでなく、リターゲティング広告など効果的な集客アクションを起こすことも可能です。 歯科医院のホームページをしっかりと用意して医院自体の認知も広げると同時に、オンラインの予約システムを活用するなど、利便性も重視しましょう。 ネットの検索結果でマップを表示したり、ホームページに交通手段やアクセス方法を伝えることも、実際に来院してもらうためには必要な工夫です。 【関連】現役歯科医師に学ぶ!歯科医院の集客(集患)の極意 【関連】歯科医院が集客(集患)するための方法とは?歯科医院の現状と差別化のコツも解説

歯科医院経営の実態③経費が増え続け、実際は利益が少ない

個人の歯科医院であっても、患者さんにとっては専門家がいる医療機関です。 治療の要求水準は年々高まっており、高額の医療機器の導入や消耗品の補充で経営が圧迫されるケースが目立ってきました。 歯科医院の売り上げはだいたい年商ベースで表示されるため、全ての経費と税金を支払った後の純利益はイメージよりも少なくなります。 経営者が受け取る報酬だけ増やすわけにはいかず、将来を見据えた設備投資やスタッフの昇給も必要です。 経費が増え続けている環境も、歯科医院の経営に大きな影響を与えています。 専門分野に特化することにより経費の圧縮を図る歯科医院が増え、全ての症例をカバーする歯科医院が減ったのはこのためです。

まとめ

厚生労働省などによる調査結果は、歯科医院の売り上げの伸び悩みや倒産数の増加といった歯科医院経営の厳しさを物語っています。 独立開業した歯科医師の年収は1,000万円以上となるケースもある一方で、経営失敗により廃業に追い込まれる事例もあることを忘れてはなりません。 歯科医院の過当競争は今後も続く可能性が高く、新規の患者さんを獲得する方法やどこに経費を費やすのかなどを考えることが必要不可欠と言えるでしょう。