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“グッド・サイクル”とは VOL1

2020/3/26 歯科医院経営

自分自身を率いる能力「セルフリーダーシップ」を身につける

--お二人のこれまでのお付き合いについてお聞かせください 村岡 正直言うと私はコンサルタントには否定的だったのですが、純粋に経営面だけでなく、スタッフに気持ちよく働いてもらうための環境づくりや福利厚生など、自分の力だけではどうしても解決できない部分をフォローしてくれるブレーンとして長年廣田さんとタッグを組ませていただいています。プライベートでも親しい関係なので正直に言いますが、私が毎日クリニックを診療・運営していくうえで、悩んでいることや考えたくない(苦手な)部分だけをお願いしているんです(笑)。幸い今のところ快く引き受けてくださっていますが…。 廣田 私は歯科医師ではありませんが、今まで多くのクリニック経営を経験する中で、まず院長先生が診療に集中できる環境を作ってあげることが大切だと感じていました。そのため、経営のコンサルティングだけでなく、医院のブランディングや開業支援、人材斡旋、訪問歯科診療支援など、幅広い分野で問題解決のお手伝いをさせていただいています。 村岡 元来、院長は孤独ですし、仕事のなかで人に褒めてもらう機会なんてそうはありません。それを廣田さんが「先生このアイデアはいいですね」と言ってもらえると嬉しいし安心するんです。設備投資や大きく診療形態をシフトする際には、クリニック側の考えだけでなく、患者さんの要望も考慮しなくてはなりません。そんな時に廣田さんは両方の立場を理解しながらバランスをとって、"痒いところに手が届く"提案をしてくださるので、とても助かっています。 廣田 アメリカのビジネススクールでは、自分自身をリードし褒めながら乗せていく「セルフリーダーシップ」がとても重要視されています。実はこれは非常に難しいテクニックなのですが、村岡先生はそのセルフリーダーシップを、素晴らしいことに学ぶことなく自然にできてしまうタイプの先生なのだと思います。それができずに悩んでいる歯科医師の方も私の周りに多くいらっしゃいますが、自分自身の機嫌をとりながら常に気分良く診療や経営にあたることがいかに難しいことか、読者の先生方にもお心当たりがあるかもしれません。 村岡 いやいや、自分で自分を褒めないと誰も褒めてくれませんから(笑)。本当に孤独なんです。朝、クリニックに行くと待合室はガラガラ、患者さんが誰も来ないみたいな夢もよく見ますし…。私はどちらかというと元来怖がりなので、それに打ち勝つために剣道を続けてきたということもあるかもしれません。

目標は「スタッフが自らすすんで診てもらいたくなるクリニック」

--歯科医院におけるリーダーシップとは具体的にどんなものなのでしょう 村岡 今から7、8年前に日本デンタルショーのモリタブースで講演させていただいたことがあります。設備投資のタイミングなどをテーマにお話しさせてもらったのですが、当時デジタル化がようやく始まった頃で、その頃は"歯科医院が儲かるために"みたいな話題は今ほど受け入れられていませんでしたが、私はその当時から"繁盛歯科医院"というキャッチフレーズでそんな話をしていました。その中で常にお伝えしていたのは「まずは一緒に働くスタッフを大事にしてください」ということです。リーダーシップというと、とにかくワンマンで"オレについて来い"みたいなカリスマ性が求められがちですが、私にはそんなカリスマ性はまったくなくて、剣道部でも常に副主将といったサブの役割でした。ですから、クリニックでの肩書きは理事長、院長なのですが、どこか一歩引いて、まずスタッフたちが気持ちよく働けるように、いわゆるES(Employee Satisfaction:従業員満足度)ですね、それを常に優先して考えてきました。やはり「スタッフとチームで働いていく」という気持ちは常に必要だと思います。私たち歯科医師がいくら丁寧に治療しても、それを定期的にケアしてくれるのは歯科衛生士やアシスタントですし、受付スタッフも患者さんの要望や疑問を聞き取って私たちに伝えるという重要な役割を担っています。ですから、若い先生方がまず目指すところは「スタッフが"自分も診てもらいたい"と思えるようなクリニックになる」ことを目標にされたらいいと思います。 廣田 今のお話はまさに真のリーダーシップですね。トップダウン型のリーダーシップだけがリーダーシップと思われがちですが、実は「サーバント・リーダーシップ」といって、患者さんやスタッフがリーダーシップをとるという形こそ本当のリーダーシップという考え方もあります。村岡先生はそれをすべて本能的に理解しておられるのでしょう。 村岡 私はその分野の勉強はほとんどしていないので、いつの間にか我流で身に付けたものなのかもしれません。それは学生時代の剣道で一度も一番にならずに常に二番手でいたのが良かったのかなと思う時もあります。 廣田 若い方や開業前の先生で「自分はリーダーシップがないので」とおっしゃる先生が多くいらっしゃいますが、リーダーシップがないということはないんです。おそらく子どもの頃ガキ大将だったり、あるいは生徒会長のようなトップに立つ人だけがリーダーだと考えておられるのだと思いますが、本当のリーダーシップはそれだけではなくて、下から支えるボトムアップ型のリーダーシップもありますから、その意味でまさに村岡先生はリーダーだと思います。そういう考えがベースにあれば、スタッフにも患者さんにも選ばれ、結果として診療だけでなく経営も含めたいろんな側面でうまく回っていくのではないでしょうか。 経営の視点から予防歯科を考える
~スタッフと患者さんに選ばれる"グッド・サイクル"とは~ VOL1
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~スタッフと患者さんに選ばれる"グッド・サイクル"とは~ VOL2
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