歯科医院を決める時に、多くの患者さんはインターネットで検索をします。
その情報をもとにこれから通う歯科医院を選んでいくのです。
「施設は整っているのか、新しくて綺麗なのか、どんな先生なのか、歯周専門であるのか、矯正はやっているのか、子供を診てもらえるのか、高齢で全身疾患があるけれど対応できるのか、インプラントは評判が良いのか」
などなど、患者さんのニーズに合った医院を選ぶことができます。
最近では、調べながらにしてその場でネットで予約を入れることもできるサイトも増えてきました。
歯科医院にとってHPは患者さん獲得の宣伝広告の場ともなるのです。
昨今では、やはり報道で騒がれている、「滅菌」「消毒」に関して、きちんとしているのかどうかが鍵になっています。
患者さんは「安全」な医療を提供してくれて「安心」を得られる医療を求めているということになります。
よく「安心安全な・・」と言いますが、それは1つの言葉ではなく、「安全」だから、「安心」が得られると思います。
さてそこで、私も多くの歯科医院のHPを見て見ますと・・
「私の医院では、スリッパを滅菌しています」
滅菌できるスリッパ?そういうのがあればとっても良いですよね。
(実際滅菌ができるスリッパはあるそうですが)どうやら入り口にあるスリッパが、紫色のライトがあるボックスに入っています。
しかし・・・紫外線で滅菌できるのでしょうか?
それは殺菌ではないでしょうか?
しかも当たっているところだけしか殺菌ができません。
最近ではスリッパも生足では履くのが抵抗があるという患者さんも増えていますね。
土足でそのままという歯科医院は増えています。
「この滅菌器で消毒をしています」
えっと、滅菌器であれば、「滅菌をしています」ですよね?で、その滅菌器はきちんと薬事法で滅菌器なのでしょうか?よく見ると、「~殺菌器」と書いてあるではないですか!
滅菌、消毒、洗浄、殺菌などの用語が間違えて使われていることも多くあります。
私は以前、患者さんの目の前でセットを滅菌バックから開封した時にこう聞かれました。
「それって、ちゃんと消毒してあるのですよね?」「いえ、消毒ではなく、滅菌をしております。」
「手術にはこんな格好をしています」
インプラントオペシーン。
オペ室もあり、先生が滅菌ガウンを着用しています。
素晴らしいCT画像もパソコンで出ています。
が、あれれ、滅菌グローブをしているのに、なぜ先生がマウスを持っているのでしょう?
メガネを手で上にあげている?
またよく見かけるのが、インプラントのオペの風景で、なぜか先生だけが滅菌ガウンを着ていてオペアシスタントは白衣にグローブだけ?
それでは血液が白衣や露出している手首や腕に飛ぶかもしれないではないですか。
その後そのままの汚染された白衣で次の患者さんを診るのでしょうか?
目にゴーグルを着用せず、もしも血液が飛んだらどうするのでしょう?(個人防護具の着用)
自分らを守ることが患者さんを守ることにつながるのです。
この様に、患者さんから見るとよくわからないところで、医療の常識からするとおかしな間違いがたくさん見つかります。
患者さんが混乱しないように、我々医療従事者は、正しい情報を提供しなくてはならないと思います。
ところで、「日本一!」「世界一!」「絶対に安全です!」「必ず治ります」などは書いてはいけないワードですのでご注意を!
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